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米FDA  嚢胞性線維症治療薬Kalydecoの適応拡大を承認

公開日時 2017/05/23 03:50

米食品医薬品局(FDA)は5月17日、嚢胞性線維症治療薬Kalydeco(イバカフトル)について、同剤の投与対象となっている患者が持つ嚢胞性線維症貫通調節因子(CFTR)遺伝子変異を10種類から33種類に拡大することを承認した。

拡大した適応は、臨床試験およびin vitro試験で同剤に反応したCFTR遺伝子の1つを持つ2歳以上の小児および成人のCFである。CFは米国では約3万人が罹患しているという。今回の適応拡大で、CF患者のうち新たに3%が対象となる。人数にして約900人である。


FDAは、同剤に対するin vitro試験で細胞をベースとしたモデル実験の結果から臨床反応が合理的に予測できたとし、初期臨床試験のエビデンスと併用、in vitroデータも適応追加の根拠になったとしている。 


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJanet Woodcockセンター長は、「多くのまれなCFの遺伝子変異は、臨床試験ができないような患者小集団において起きる」と指摘したうえで、「今回の果敢な挑戦は、Kalydecoに反応するような一定の遺伝子変異を見つけられるようにプレシジョン・メディシン(個別化医療)に基づく新たなアプローチを使うように導いてくれたことである」と同剤の登場を歓迎した。


同剤は当初の発売で、どのようにして患者に特化した医薬品開発が疾患の理解を深めるかを示した好例といえるが、嚢胞性線維症財団(CFF)が2万8000人の患者登録を行い、研究を深める遺伝子データを所有していたため、これが今回の適応拡大につながったとみられる。


用法用量は、経口剤もしくは経口顆粒剤で1日2回脂肪を含んだ食事と共に服用する。脂肪を含む食事はCFTR遺伝子が作るタンパクの機能を改善させ、肺機能などを改善させるという。

同剤は、米Vertex Pharmaceuticals社(本社:マサチューセッツ州ボストン)が製造する。Vertex社のJeffrey Chodakewitz上級副社長兼最高科学責任者(CMO)は、「5年前、KalydecoはCFに対して根本原因を治療する初の薬剤となった。それ以来、この重篤で患者を短命にさせる疾患に悩む他の(遺伝子変異を持つ)患者にもどうすればベネフィットをもたらせるかを追究、研究への投資を続けてきた」と述べたうえで、「我々は、できるだけ早く、さらに、この薬剤を必要とする遺伝子変異を持つ患者に同剤を供給できるようFDAと協力していきたい」とコメントした。

 

 

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