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コニカミノルタ プレシジョン・メディシンで世界のリーディングカンパニー目指す 米企業買収

公開日時 2017/09/26 03:51

コニカミノルタは9月25日、米・分子デジタルイメージング技術を有するCROであるInvicro社を320億円で買収すると発表した。今年11月の買収完了を予定する。プレシジョン・メディシンの本格参入を表明する同社は、遺伝子技術を有する米・Ambry Genetics社を7月に買収したばかり。今回の買収を契機に製薬企業向けの創薬支援ビジネスにも踏み切り、事業を加速させる。創薬に挑む製薬企業にとっては、同社とパートナーシップを組むことで、最適なバイオマーカーの探索・設定により、開発スピードの向上やコスト削減など治験の効率化、新薬開発の成功確率向上などが見込める。同日午後会見した山名昌衛代表執行役社長兼CEOは、「プレシジョン・メディシンでグローバルのリーディングカンパニーになることを目指す」と意気込みを語った。


医薬品市場の主流が低分子からバイオ医薬品へと変化する中で、患者の治療成績向上が期待されている。一方で、課題となっているのが医療費の高騰だ。抗がん剤などバイオ医薬品は高額でもあり、医療費は40兆円を超え、社会的な課題となっている。医療費の無駄を抑制するとともに、患者の副作用の軽減し、治療成績を向上するためにも、有効性を発揮する患者集団を見極めることが重視されている。山名社長は、「プレシジョン・メディシンが社会的解決のキーだ」と述べ、同社の有するテクノロジーを活かし、こうした社会的課題の解決に対するソリューションを提供する姿勢を強調した。


買収するInvicro社は、がんやアルツハイマー病など中枢神経系でのバイオマーカー探索と設定に強みがある。精密な画像の取得から、デジタル化、さらには3次元デジタルイメージデータを含むデータベースを構築して人工知能(AI)を活用した画像解析を行っている。これらの技術と、同社の高感度細胞組織解析システム(HSTT)と呼ばれるたんぱく質解析技術や、7月に買収した米・Ambry Genetics社の有する遺伝子技術と融合させることで、患者集団の分子的診断をより正確に行い、より精緻な薬剤選択を行うことを視野に入れる。患者にとっては、適切な投薬・治療が行うことが可能になる。


一方、製薬企業にとっても、バイオ医薬品が主流となり、開発コストもかさむ中で、研究開発の生産性向上は喫緊の課題だ。こうした中で、有効性を発揮できる患者集団を特定し、開発の確立を向上させるためにも、早期段階でのバイオマーカーの探索・設定は新薬開発のカギを握る。山名社長は、Invicro社がプレシジョン・メディシンへの強みに加え、「新薬探索/前臨床から治験後期までバイオマーカーを軸にした一気通貫のプロセス改革に強みを持つ会社であるということで買収に踏み切った」と説明。新薬開発のプロセスを変革することで、開発コストが削減される可能性にも言及した。現状では、CROは人材不足を補うときなどに活用されるケースも少なくないが、能力ベースでパートナーとして選択される絵を描いた。


同社は買収したInvicro社とAmbry社を両輪に、グローバルで5年後に売上高1000億円、営業利益率20%以上を目指す。
 

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