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武田薬品・17年度決算 国内医療用医薬品売上5014億円 プレベナーなど返還響く 18年度は減収見通し

公開日時 2018/05/15 03:50

武田薬品は5月14日、2018年3月期決算について、国内医療用医薬品売上収益が対前年同期比0.7%減収の5014億円だったと発表した。抗潰瘍治療薬・タケキャブが対前年同期比で61.6%伸びたが、肺炎球菌結合ワクチン・プレベナー13と血友病B治療薬・べネフィクスの2製品について、ファイザーとの販売提携を終了したことが響いた。シャイアー買収完了前の現時点では、国内市場では、17年3月期決算で国内トップに立った第一三共に水をあけられた格好だが、クリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOは、この影響を除けば、OTCを含む日本市場全体で7.0%伸長したと説明し、「日本の成長にも満足している」と述べた。

◎岩崎JPBUプレジデント 日本市場は「フラットの売上を維持」

同社の国内医療用薬売上は11年度の5922億円をピークに7年連続のマイナス成長となった。タケキャブが18年4月の薬価改定で特例拡大再算定を受けたが、「すでに薬価改定の影響はあるが、それにもかかわらずタケキャブは18年度も成長する製品だ」とウェバー社長は自信を見せた。

同社の岩﨑真人ジャパン ファーマ ビジネスユニットプレジデントは、18年度改定の影響について「業界全体の平均からみると、1%程度良い状況」と説明した。そのうえで、すでに製品群がこれまでの生活習慣病領域からオンコロジーなどの革新的新薬やスペシャリティーに移り始めており、「今までのように多くのセールスフォースを使って情報活動をするものばかりではない」と指摘。「現在販売しているプライマリケア中心のものの成長と同時に、スペシャリティーの上市を通じて、ほぼフラットの売上は維持できるだろうと考えている。あわせて新製品のスペシャリティーの製品が伸びてくれば、成長は期待できる」と意欲をみせた。

◎18年3月期連結は増収増益 営業利益55.1%増

連結での売上収益は対前年度比2.2%増の1兆7705億3100万円となった。営業利益は55.1%増の2417億8900万円だった。潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬のエンティビオが対前年比40.6%増の2014億円に伸長するなど、成長ドライバーに位置付ける消化器系疾患、オンコロジー、ニューロサイエンス、新興国市場が伸長した。地域別では米国で実質13.5%成長した。

同日の決算会見で、ウェバー社長は「2017年度の結果は素晴らしい結果と表現している。“輝くような”という表現はなかなかしないが、素晴らしい年であった」と強調。同社が取り組む研究開発の改革の影響が出始めているとの見方を示した。特に成長ドライバーが成長することで、「実質のビジネスが着実に成長し、それが力強い結果の根拠となっている」と述べた。

◎ウェバー社長 ベルケイド特許切れ吸収に自信「成長のモメンタムを維持」

多発性骨髄腫治療薬・ベルケイドの特許切れの影響などを踏まえ、19年3月期の連結売上収益は1.9%減収の1兆7370億円、連結純利益は25.6%減収の1390億円の見通しを示した。ベルケイドについては19年3月期に売上規模で600~700億円の減収を見込む。一方で、エンティビオや多発性骨髄腫治療薬・ニンラーロなど主力製品の伸長で、実質的な売上収益の成長率は1桁台前半を確保するとしている。ウェバー社長は、「ベルケイドの特許が切れてもうまく実績をマネジメントできる」と強調。「パイプラインにダイナミックスがみられる。長い目で見て私たちの未来は革新的新薬を出すことが生きる能力に依存する。その軌道に乗っている」と成長のモメンタム(勢い)を維持することに自信をみせた。

【17年度連結業績 (前年同期比) 18年度予想(前年同期比)】
売上高 1兆7705億3100万円(2.2%増) 1兆7370億円(1.9%減)
営業利益 2417億8900万円(55.1%増) 2010億円(16.9%減)
親会社帰属純利益 1868億8600万円(62.6%増) 1390億円(25.6%減)

【17年度のグローバル主要製品全世界売上高(前年同期実績) 18年度見込み 億円】
エンティビオ 2014(40.6%増) 30%超の増
ニンラーロ  464(58.1%増) 30%超の増
ベルケイド  1373(0.2%減) 30%超の減
アドセトリス 385(27.8%増) ±10%以内
タケキャブ 551(61.7%増) ±10%以内
トリンテリックス 484(51.6%増) 10~20%の増
リュープロレリン 1144(0.2%増) ±10%以内
デクスラント 657(4.9%増) ±10%以内
アジルバ 730(9.1%増) ±10%以内
ネシーナ 537(9.3%増) 10~20%の増
ユーロリック 468(10.9%増) ±10%以内
コルクリス 403(3.5%増) 20~30%の減
アミティーザ 338(0.1%増) ±10%以内
パントプラゾール 658(11.3%減) ±10%以内
ランソプラゾール 368(17.0%減) 30%超の減
カンデサルタン 220(35.5%減) 20~30%の減

【17年度の国内主要製品売上高(前年同期実績)、億円】
アジルバ※ 730(669)9.1%増
タケキャブ※ 551(341)61.6%増
リュープリン(リュープロレリン) 476(486)2.1%減
エンブレル 387(404) 4.4%減
ロトリガ 321(275) 16.6%増
ネシーナ※ 301(329) 8.5%減
ベクティビックス 189(188) 0.9%増
レミニール 178(174) 2.6%増
ロゼレム 89(81) 10.4%増
ベネット 75(83) 10.2%減
アドセトリス 38(33) 16.4%増
※配合剤、パック製剤を含む 

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