【World Topics】認知症のデジタル療法
公開日時 2018/10/01 03:50
認知症をターゲットに定めたテック・スタートアップのSmart Brain Aging社が「適切な運動と組み合わせて取り組むことで、認知症の進行を遅らせ、またネガティブな影響を制限できる演習課題」をオンラインで提供するサービス”Brain U online”を開始した。
https://www.brainuonline.com
Smart Brain Aging社はハーバード大学医学部とボストン大学医学部の永年の共同研究の成果に基づいて2016年に創設されたベンチャーで、アルツハイマーその他の認知症を予防し、疾患のネガティブ・インパクトを最小化するためのサービスの提供に特化している。http://www.smartbrainaging.com
創業者CEOのDr. John DenBoerによれば、同社が提供する演習課題は、一般に市販されている「(いわゆる)脳トレ・ゲーム」とは明確に一線を画すものであり、認知症に苦しむ高齢者はもとより、健康な知力を保ちたいと希望する高齢者のために特に開発された、業界初にして唯一の「科学的知見に基づくデジタル療法プログラム」である。
Brain U online上で提供される2万以上の演習課題は、それぞれ作業速度、記憶力、集中力などの多様な認知スキルに個別に対応するように設計されている。またBrain U online上に開設されるクラスルームはユーザーが他のユーザーと交流し、会話する場としても利用できるように設計されている。同社の実験ではプログラム参加者は認知症のネガティブ・インパクトを45% 減じることができ、進行を2.5年遅らせることができたと発表されている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)