千葉大学医学部附属病院小松英樹近年、PHR（パーソナルヘルスレコード）、Telemedicine（遠隔医療）、モバイル端末やウェアラブルセンサー、健康管理アプリ、人工知能・機械学習、医療ビッグデータ解析といったデジタル技術による医療分野への応用が試みられている。すでに精神科領域においてもデジタル技術を用いた研究や活用例が多く報告されており、今後の精神科医療を飛躍させる新たな可能性を秘めている。さて、筆者は現在大学病院で精神科医として働かせていただいているが、６年ほど前になる大学院生時代には、「統合失調症に対する携帯電話とサーバコンピュータを用いた再発予防システム」の開発・研究に携わらせていただいた。この再発予防システムは、通常の診療にIT技術を組み合わせたものであり、デジタルヘルスの先駆的な...