中外製薬 NTRK融合遺伝子陽性固形がんの適応でエヌトレクチニブを承認申請 優先審査へ
公開日時 2018/12/20 03:51
中外製薬は12月19日、ROS1/TRK阻害薬エヌトレクチニブについて、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんを対象に同日に日本で承認申請したと発表した。NTRK融合遺伝子陽性は、大腸がんや非小細胞肺がんでは1%程度という。同陽性の固形がんを対象にした国際共同試験では、がん種を問わず有効性が示された。日本では希少疾病用医薬品、先駆け審査指定制度対象品目で、優先審査され、約6か月で正式承認が見込まれる。
今回の承認申請は、オープンラベル多施設国際共同第2相臨床試験(STARTRK-2試験)、海外で実施した3つの第1相臨床試験(STARTRK-NG試験、STARTRK-1試験、ALKA-372-001試験)の統合解析結果に基づいたもの。NTRK融合遺伝子陽性の固形がんの患者54人を対象に行い、安全性評価はこれら4つの試験に登録された355人で行った。
同剤は、遺伝子変異解析検査を用い適応判定を行う。そのため中外は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル(遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)、体細胞遺伝子変異解析プログラム(抗悪性腫瘍約適応判定用))を承認申請し、12月13日に薬食審の医療機器・体外診断薬部会が承認を了承している。
なお、エヌトレクチニブは海外では、前治療後に疾患が進行または許容可能な標準治療がないNTRK融合遺伝子陽性の局所進行または遠隔転移を有する成人、小児の固形がんに対し、2017年5月にFDAが画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に、同年10月にEMAがPRIME(PRIority MEdicines)にも指定している。