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薬食審 2月21日に第一部会 継続審議の塩野義AD/HD治療薬ビバンセなど9製品審議

公開日時 2019/02/08 03:51

厚生労働省は、2月21日に新薬の承認の可否などを審議する薬食審・医薬品第一部会を開催する。塩野義製薬がAD/HD治療薬として承認申請したビバンセカプセル(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)も審議される予定。同剤は、覚醒剤原料に指定される成分が含有され特別な流通管理が必要だとされることから、パブリックコメントが実施され、12月の部会から継続審議扱いとなっていた。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
ビバンセカプセル20mg、同30mg(リスデキサンフェタミンメシル酸塩、塩野義製薬):「注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

シナプスに存在する受容体を介して、ドパミンとノルアドレナリンの遊離促進・再取り込み阻害作用を有する中枢刺激薬。これらの神経伝達物質の働きを強めることにより、ADHDの諸症状を改善すると考えられている。シャイアーの創製品で、塩野義製薬との間で国内の共同開発・商業化のライセンス契約を締結し、開発が進められてきた。

流通管理について厚労省は、新たに社外委員会を組織し、適正使用管理システムを構築して流通量などを一元管理すること、医療機関や薬局に管理システムへの登録を義務づけること、また卸売販売業者に対しては、登録施設以外への納入を禁止するなどの対策案を示している。

ピリヴィジェン10%点滴静注5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL(pH4処理酸性人免疫グロブリン、CSLベーリング):「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

対象疾患は、国の指定難病の1つで、2ヶ月以上にわたり四肢の筋力低下やしびれ感をきたす末梢神経の疾患。左右対称性に腕が上がらなくなる、握力が低下して物をうまくつかめなくなるなどの症状がある。末梢神経に対する免疫異常により、神経線維を覆う膜構造(ミエリン)が破壊されることで症状が出現すると考えられている。

同剤は海外では、原発性および続発性免疫不全症候群患者の補充療法、また慢性免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、ギラン・バレー症候群、川崎病の患者の免疫調節療法に使用されている。

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL、同2g/10mL、同4g/20mL(pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)、CSLベーリング):「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

アセレンド注100μg(亜セレン酸ナトリウム、藤本製薬):「低セレン血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議を経て開発公募品目となり、藤本製薬が開発した。低セレン血症は、微量元素のセレンが欠乏することでおこる疾患で、視力障害や知覚障害、心筋障害などを主な症状とする。重篤な場合は、不整脈で死に至ることもあるが、同剤の投与で予防できるとしている。厚労省の資料によると、これまでは施設ごとの倫理委員会に使用許諾を得たうえで、病院や患者が薬剤費を負担して使用するという状況が続いていた。

フォシーガ錠5mg、同10mg(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、アストラゼネカ):「1型糖尿病」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

同剤はSGLT2阻害薬で、すでに2型糖尿病治療薬として販売されている。SGLT2阻害薬の1型糖尿病適応は、アステラス製薬のスーグラ錠が18年12月に承認を取得。同剤が承認されれば2製品目となる。

レブコビ筋注2.4 mg(エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)、帝人ファーマ):「アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

ADA欠損症は、遺伝子変異が原因で酵素のADAの産生できなくなることで、血液中のリンパ球が減少し、感染症を発症しやすくなる希少疾患で指定難病。重症免疫不全や成長障害などを引き起こす。同剤はADAを補充するもので、承認されれば日本で初めての治療薬となる。

治療の第一選択は造血幹細胞移植だが、困難な場合は酵素補充療法が選択となる。帝人が、英シグマタウ社が創製し同剤を国内独占的開発・販売契約を締結し、開発してきた。

 
ロスーゼット配合錠LD、同HD(エゼチミブ/ロスバスタチンカルシウム、MSD):高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症を対象疾患とする新医療用配合剤。
 
小腸からコレステロールの吸収を阻害するゼチーア錠の有効成分であるエゼチミブと、コレステロールの生合成を阻害するロスバスタチンカルシウムの配合剤。MSDは18年にエゼチミブとアトルバスタチンカルシウムを配合したアトーゼットの承認を取得、同年4月に発売し、バイエル薬品と共同販売している。ロスーゼットも両社の契約により、承認されれば共同販売となる。
 
オノアクト点滴静注用50mg、同150mg(ランジオロール塩酸塩、小野薬品):心室細動、心室頻拍を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
 
主に心臓に多く存在するβ1受容体を選択的に遮断する交感神経緊張の緩和作用により、電気的除細動などで不整脈を停止後、心室細動などの再発を抑制することが期待される。
 
ビンダケルカプセル20mg(タファミジスメグルミン、ファイザー):トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
 
ATTR-CMは、トランスサイレチンと呼ばれる4つのサブユニット(四量体)からなる輸送タンパク質の不安定化によって引き起こされる進行性の希少疾病で、タンパク質の凝集、アミロイド線維を形成し、心臓内に沈着した結果、心不全が起こる。「先駆け審査指定制度」の対象品目で、2018年11月に承認申請していた。承認されれば、国内初のATTR-CM治療薬となる。
 
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

イノラス配合経腸用液(一般名なし、イーエヌ大塚製薬):「経管栄養補給」のための類似処方医療用配合剤。

ラフェンタテープ1.38mg、同2.75mg、同5.5mg、同8.25mg、同11mg(フェンタニル、日本臓器製薬):「各種がんにおける鎮痛」を対象とする新剤形医薬品。
 
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