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大塚製薬 国内初のアルコール依存症患者の飲酒量低減薬「セリンクロ」発売

公開日時 2019/03/06 03:50

大塚製薬は3月5日、アルコール依存症患者に対する飲酒量低減薬「セリンクロ錠10mg」(一般名:ナルメフェン塩酸塩水和物)を発売した。抗酒薬や断酒維持を目的とした断酒補助剤は国内ですでに販売されているが、アルコール依存症患者が飲酒量を減らす過程を補助する薬剤は同剤が初めて。薬価は10mg錠296.40円。

中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介し、飲酒欲求を抑制することで飲酒量を低減させる。用法・用量は、1日1回10mgを飲酒の1〜2時間前に服用する。アルコール依存症患者の治療の主体である「心理社会的治療」と併用するよう注意を求めている。

また添付文書では、重要な基本的注意として、「アルコール依存症の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、投与すること」が明記された。これに基づき同社では当面、治験実施施設や減酒外来を設置している医療機関を中心に、MRを通じて情報提供を行う考え。人数・体制は非開示だが、中枢担当のMRが情報提供を担う。

これは飲酒量の低減治療が、最新のアルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドラインのなかで「断酒に導くための中間的ステップあるいは治療目標の1つ」に位置づけられるなか、同剤の投与対象の患者数が幅広くなる可能性があったため。同ガイドラインでは、「原則的に断酒の達成とその継続」を最終的な治療目標としている。

同剤はデンマークのルンドベック社が創製し、日本では両社で共同開発した。国内販では大塚製薬が販売する。
 

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