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米ヤンセン リスペリドンの不正表示、違法マーケティングで和解金支払いへ

公開日時 2013/11/07 03:50

米ジョンソン・エンド・ジョンソングループ(J&J)の子会社ヤンセン・ファーマシューティカルズInc(JPI、本社:ニュージャージー州ティツスビル)は、抗精神病薬Risperdal(一般名:リスぺリドン)の不正表示および違法マーケティングに関する刑事罰で4億ドル、ならびに民事訴訟における和解金12億5000万ドルを支払うことに合意した。この合意は、ペンシルバニア東地区連邦地裁の監督下。米食品医薬品局(FDA)と米司法省(DOJ)が11月4日明らかにした。

 

FDAは同剤を2002年に統合失症、2003年に急性躁病および双極性障害1に伴う混合エピソードの適応で承認した。しかし、ヤンセンは2002年3月に高齢者における認知症に伴う興奮症状の治療薬として、未承認であるものの安全かつ有効と説明して、マーケティングを開始していた。

 

FDAは、医師には医療行為の範囲内ならば、未承認薬でも適応外使用を認めているが、製薬企業に対しては、適応外(新適応)での使用について販売促進を行うことは不正表示として違法となる。

 

司法局は、JPIとJ&Jは、高齢者では、同剤の服用で脳卒中発症のリスクが増加することを知りながら、それについて否定的なデータを活用、そのリスクを軽視していたと指摘している。JPIは、FDAから何度も医師に対して不正マーケティングを行っているとの警告を受けていたが、改めることなく、FDAの犯罪捜査部が刑事事件として捜査に乗り出した。

 

また、JPIは2006年に小児の適応を取得する以前に医師に対して小児適応でのマーケティングも行っており、FDAは小児適応でのマーケティングは問題があると同社に警告していた。

 

JPIとJ&Jには、司法局および保健福祉省(DHSS)総括監察官室との合意により、今後の説明責任、透明性の向上ならびに虚偽や不正防止のために、企業法令順守協定の下で厳格な要件を守る義務が生じる。

 

FDAのMargaret A Hamburg長官は、「製薬企業がFDAの要求する規制を無視することは、公衆衛生にリスクをもたらすばかりでなく、医師および薬剤に対して患者が持っている信頼まで損なう」と述べた。その上で、「FDAは、安全性・有効性を示した薬剤を承認するために厳格な科学的研究に基づいたデータに依存している。その観点から、本日の発表は、FDAの規制を無視する製薬企業は、自らが責任を負わなければならないことを示した」とJPIの姿勢および行為を批判した。

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