バイエル 塩化ラジウム-223 転移性去勢抵抗性前立腺がんで国際共同P3開始
公開日時 2014/04/11 03:50
バイエルヘルスケアはこのほど、塩化ラジウム-223(開発コード:BAY88-8223、欧米製品名:ゾフィーゴ、日本未承認)の国際共同フェーズ3(P3)試験を、化学療法未治療で骨転移を有する無症候性または軽度症候性の去勢抵抗性前立腺がん患者を対象に開始したと日本法人を通じて発表した。試験には日本も参画する予定。同薬は、欧州や米国で骨転移を有する症候性去勢抵抗性前立腺がんで承認を取得済み。国内では、同試験とは別に骨転移を有する症候性去勢抵抗性前立腺がんでもP2が進行中となっている。
試験は、塩化ラジウム-223またはプラセボを投与する群にランダムに割り付け、アビラテロン酢酸エステル、プレドニゾン/プレドニゾロンとの併用効果を二重盲検で比較する。800人の登録を予定し、塩化ラジウム‐223による症候性骨関連事象のない生存期間延長について検証する。主要評価項目のデータ収集を17年7月までに行う計画。
同薬は塩化ラジウム-223 を活性成分とし、アルファ線を放出する放射性医薬品。骨転移などの骨代謝の亢進した領域に骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成する。放出するアルファ線は隣接する細胞にDNA二本鎖切断を引き起こし、抗腫瘍効果をもたらす。アルファ粒子の放射範囲は100 μm未満で、周辺正常組織へのダメージは最低限にとどまるという。