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米FDA 夜間多尿症治療薬Noctivaを承認

公開日時 2017/03/16 03:50

米食品医薬品局(FDA)は、3月3日、米Serenity Pharmaceuticals社の成人における夜間多尿症治療薬Noctiva(デスモプレシン酢酸塩)点鼻スプレーを承認した。抗利尿ホルモンであるバソプレシンのアナログである。適応は、成人における、夜間少なくとも2度以上排尿する夜間多尿症である。同疾患を適応とした初の薬剤となる。

1日1回就寝約30分前に投与する。添付文書には、同剤が生命を脅かす低ナトリウム血症を起こす可能性があるため、枠組み警告が設けられた。また、患者への注意喚起のため、メディケーションガイドの配布が義務付けられた。そのため、医療従事者は、患者に同剤投与前にナトリウム値を測定、投与1週以内に再度測定、その後は約1か月ごとに測定することが義務付けられた。同剤は、体液恒常性障害(電解質不均衡)、腎障害など重度の低ナトリウム血症のリスクのある患者、症候性うっ血性心不全もしくは管理不十分な高血圧患者には禁忌である。同剤の主な副作用は、鼻の不快感、鼻咽頭炎、鼻閉、くしゃみ、背部痛、低血圧もしくは高血圧、鼻血、気管支炎など。

Serenity Pharmaceuticals社は、2007年に創立した泌尿器疾患治療薬開発に特化したベンチャーで、本社をペンシルバニア州ミルフォードに置く。

FDA医薬品評価研究センター(CDER)のHylton V. Joffe骨・生殖・泌尿器製品部長は、「本日の承認は、夜間に過剰な尿を産生する成人にとって夜間何度も排尿のため起こされるのを減らすことに役立つ新たな治療選択肢である」と同剤の登場を歓迎したうえで、「Noctivaが夜間多尿症のすべての原因に対応して承認されているのではないため、患者は医療従事者と同剤がその患者にとって適切かどうか、また、夜間多尿の根本原因が何であるか症状についてよく相談してほしい」と同剤の適正使用を呼びかけた。
 

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