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厚労省 ベンチャー支援で薬事・保険連携相談スタートへ 開発段階から薬価見据え実用化を後押し

公開日時 2018/02/26 03:50

厚生労働省は2月23日、医療系ベンチャー振興推進会議に、開発段階から薬価戦略を見据えた「薬事・保険連携相談」を早ければ今年度中にもスタートさせることを報告した。PMDAにイノベーション実用化連携相談を新設するのにあわせて新たな制度とし、厚労省とPMDAの情報共有・連携をより密にする。ベンチャーにとっては、厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室に相談することで、薬価・材料価格を把握。その価格を目指した開発方針・出口戦略を固めた上で、適応や提出データなどについてPMDAと相談して開発を進めることができる。薬事・保険制度がベンチャーの参入を阻むことも指摘される中で、開発から承認、保険償還まで様々なステージで切れ目ない対応を行うことで、迅速な実用化に向けて後押しする考えだ。


◎PMDAに“イノベーション実用化連携相談”を新設 臨床試験デザインなどに対応


ベンチャーへの支援は、厚労省医政局経済課のベンチャー等支援戦略室が相談の窓口機能を担い、必要な組織・関係部署と連携、情報共有する。開発から承認、保険償還、さらには国際展開まで見据え、相談内容に応じて、AMED(研究費、オーファン助成)、臨床研究中核病院(臨床研究・治験実施)、国際薬事規制室・医療国際展開推進室・JETRO/JICA(海外情報)、医薬・生活衛生局(コンビネーション製品の規制上の取り扱いなど)と連携する。

承認審査やレギュラトリーサイエンスの観点からの支援を行うPMDAのイノベーション実用化支援組織との連携もこれまで以上に強化する。PMDAに新設するイノベーション実用化連携相談、ベンチャー等支援戦略室で受けた薬事・保険連携相談での相談事項について、月に1~2回定期的な打ち合わせを行い、切れ目のない連携体制を構築する。

具体例として、ホウ素中性子補足療法(BNCT)やゲノム解析システムをあげ、対応を説明した。医療保険上の取り扱いや必要となるエビデンスはベンチャー等支援推進室がアドバイスする。一方で、承認審査資料としての臨床試験デザインなどについてはPMDAが支援する。医薬品と医療機器の区分や、医療機器の一般的名称などについては、ベンチャー等支援推進室を通じて医薬・生活衛生局が対応するとしている。現行制度の医療系ベンチャー相談には、2017年4~12月までに医薬品13社、19件を含む65社、67件の相談が寄せられている。

◎研究開発や薬事・保険などで人材ネットワークの整備も


厚労省医政局は、「ベンチャートータルサポート事業」(2018年度予算案:4億4217万6000円)として、人材ネットワークの整備やシーズ実用化のための総合的な支援にも取り組む。ベンチャーを取り巻く課題のひとつとして、人材不足がある中で、製薬企業のOBなどで、研究開発、薬事・保険、知財管理、経営・財務経理などの専門家をサポーターとして公募し、人材ネットワークを整備する。電話やメール、専用のポータルサイト「MEDISO(サイトはこちら)」に寄せられた相談を日本橋ライフサイエンスビルに専用オフィスを置くサポートオフィスが受付。必要に応じて、サポーターとの面談設定やマッチング、支援計画作成、ベンチャーキャピタルへのプレゼン資料作成支援など、ワンストップで総合的に支援する。この日の会議では、取り組みを評価する声があがり、地方のベンチャーへの周知や海外への発信を視野に入れた英訳などを求める声があがった。

そのほか、この日の会議で委員から、遠隔診療やデジタルヘルスケアの分野へのサポートや、学生も含めた人材育成の必要性を求める声などがあがった。

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