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急増する外国人医療対策で課題を共有 日医が初会合

公開日時 2018/07/05 03:50

 日本医師会は7月4日、外国人旅行者や在留外国人の医療対策を考える「外国人医療対策会議」を初めて開いた。訪日外国人の増加を見据え、全国の都道府県の医師会と課題を共有化し、解決のための方策を総合的に議論するのが目的。日本医師会の今村聡副会長は、「課題が顕在化していない県もあると思うが、実際にはいろんな問題が起こっていると思う。一つひとつの医療機関が対処するのはもちろん、地域や都道府県の医師会がバックアップする仕組みが必要だ」と述べた。

◎厚労省 18年度中に課題への対応進める

課題の解決に向けて厚生労働省は、すでに対策を進めている。厚労省医政局総務課の榎本健太郎課長は、2018年度中に医療機関や都道府県向けのマニュアルの作成や、外国人観光客に対する医師の応召義務についての整理などの取り組みを進めていることを報告した。このうち深刻な問題になっている未収金の問題については、キャッシュレス決済の推進や、不払いの経歴がある外国人観光客に厳格な審査を実施していくなどとした。

東京大学国際保健政策学の渋谷健司教授は、東京23区の新成人はすでに8人に1人が外国人だとして、「自分には関係ないと思っていても、外国人が皆さんの病院を訪れる可能性は想像以上に高い」と呼びかけた。その上で、体制の整備が追い付かずに各地で重大なトラブルが発生していると指摘。医療費に関するトラブルも多いことから、「言語だけが問題ではない」と強調した。具体的には、健康保険証の不正利用の対策や、円滑な支払い支援が必要だと提起し、「外国人に対応した医療体制は、日本人患者にとっても効率的な体制になると思う。経営力向上のいい機会になるのではないか」と訴えた。

◎日医・横倉会長「国籍問わず適切な医療提供できる体制構築を」

この日の会議には、都道府県医師会の代表者ら約140人が参加した。会議の冒頭で、横倉義武会長は、「訪日外国人が急増するなか、国籍を問わず、患者に対して適切に医療が提供される体制が重要になる」と述べ、地域医療を守ることと両立させていく必要性を訴えた。都道府県医師会の担当者からは、すでに顕在化している問題が相次いで寄せられた。痛みの表現が大きいなど文化やマナーの違いからくる問題や、観光は季節によって患者の変動が大きいため、対応できるスタッフを通年で雇用することが難しいなどの指摘があった。

(おことわり)記事中の横倉義武会長のあいさつは、今村聡副会長の代読によるものです。 

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