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FDA 抗菌薬開発促進でタスクフォースを設置

公開日時 2012/10/05 04:00

米食品医薬品局(FDA)は9月24日、抗生物質を含む抗菌薬の開発促進対策などの目的で、局内にタスクフォースを設置したと発表した。


タスクフォースは、「抗菌薬開発タスクフォース」(Antibacterial Drug Development Task Force:ADDTF)と呼ばれる。部署横断的にCDER(医薬品評価研究センター)内で科学者や臨床医19人で構成される。医学会などの学会、医薬品産業、患者団体などとも協力体制を構築するという。


具体的には、統計法・臨床試験デザイン・臨床薬理学的データなどを活用した科学的アプローチによる新規抗菌薬開発促進を行う。また、一方で、アンメットメディカルニーズを究明するとともに、開発が進まない背景の探究、リスク/ベネフィットの評価の見直しも行う考えだ。そのほか、FDAの現行抗菌薬開発ガイドライン(GL)の評価と新規GL策定の可否も検討する。


FDAの抗菌薬承認件数も1980年代から減少の一途をたどっているが、FDAは乱用で耐性菌発生問題が社会問題化したことや、販売競争で薬価が下がったことなど歴史的背景があるとした。


一方で、最近では、院内感染の原因の70%は耐性菌によるものと指摘されているものの、耐性菌に対する有効な抗菌剤が求められているとした。耐性菌による院内感染は2002年には約200万人で、このうち9万9000人が死亡したとの報告もある。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌薬製品部長(ADDTF共同委員長)は、「このタスクフォースは非常に重要な時期に設置された」と述べた。その上で、「安全で効果の高い新規抗菌剤を開発する新たな方法を確立することは大きなチャレンジだが、簡単に成し遂げられるものでもない」と抗菌剤開発促進が容易な事業でないとの覚悟を示した。


ADDTFの別の共同委員長である、CDERのRachel Sherman医療政策部長は、「このタスクフォースの設置により、FDAは真の進歩とパラダイムの変化に役立つことが出来る」と指摘。「我々の望みは、抗菌薬開発分野での重要な新たな突破口を作ることであり、抗生物質耐性に対する戦いに役立つことだ」とADDTF設置の目的を話した。


なお、ADDTFは、今年7月9日に成立した「FDA安全およびイノベーション法」(Food and Drug Administration Safety and Innovation Act)の付随法である「今、抗生物質を生産するインセンティブについての章」(Generating Antibiotic Incentive Now Title)において設置が求められていた。

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