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ベーリンガーのPradaxa 多数の訴訟に直面:米国

公開日時 2012/12/14 04:00

独ベーリンガーインゲルハイムは、抗凝固薬Pradaxa(ダビガトラン、国内製品名:プラザキサ)が原因と思われる副作用問題で、4000件に上る訴訟に直面する見込みだ。米ブルームバーグ通信が12 月11日報じた。


FDAによると、同剤を服用した患者では副作用と思われる出血などにより542人が死亡、副作用症例数は3,781件が報告されている。これを巡りすでに患者などから150件以上の訴訟が提起されている。
ベーリンガーインゲルハイムは、今年10月2日までに120件の訴訟が連邦裁判所で提起されていることを明らかにしているという。同日以降、さらに、150件の訴訟提起が追加された。また、州立裁判所でも多数の訴訟が係争中だ。


ブルームバーグ通信は、脳卒中のリスクを持つ患者でPradaxaを服用し、内臓出血で死亡した症例を紹介、同剤が出血を起こした際に出血に対する「対抗手段」(antidote)がないことを問題視、訴訟提起の理由を示した。同剤は心房細動患者における脳卒中や全身性塞栓症の発症抑制などの適応を持っているが、従来、抗凝固薬として標準的に使用されてきたビタミンK拮抗剤のワルファリンと比べ、モニタリングが不要なこと、用量の微妙な調整が不要なことや一定の食物との相互作用がないことなどから非常に使い易いとの評判は高い。しかし、ワルファリンは出血が起きた場合は、出血の「対抗手段」としてビタミンKを投与すれば出血を抑制可能だ。


訴訟を担当するニューヨーク市のHunter Shkolnik弁護士は、「対抗手段がないことが、Pradaxaのそもそもの欠陥」と指摘し、「同剤は、(ワルファリンの)安全な代替薬として合理的に市販できるものではない」と批判した。
しかし、同剤の使用の利便性から、同剤の売上は世界的に伸長、発売後、約2年で11億3000万ユーロ(14億8000万ドル)に達している。


集団訴訟を提起したシカゴの弁護士Tor Hoerman氏は、デラウエア、カリフォルニア、イリノイ、コネチカットなど各州での州立裁判所での訴訟提起も増加しているため、将来的に訴訟は4000件に上るのではないかと見ている。
FDA(米食品医薬品局)は、Pradaxaの出血傾向については、ワルファリンを服用している患者に比べて高くはないとの立場を示し、EMA(欧州医薬品庁)は、Pradaxaのベネフィットは、出血リスクを上回ると信じていると話している。


米メディアでは、Pradaxaの副作用を巡る訴訟についてはよく報道され、8月19日にも一般紙「USA Today」が、同剤を服用、死亡した患者の実例を紹介、そのうえで大きな訴訟問題になるとの見通しを報じた。          

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