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アステラス製薬 新中期経営計画 主力品特許切れ影響吸収して成長軌道へ

公開日時 2010/05/26 04:02

アステラス製薬は5月25日、新中期経営計画(10-14年度)を発表した。主力の免疫抑制剤プログラフや排尿アステラス製薬 野木森社長障害改善薬ハルナールの米国特許切れによる売上、利益の減少という厳しい局面に直面するが、過活動膀胱(OAB)治療薬ベシケアなど既存品の成長や、中計期間中に発売を予定するOAB治療薬ミラベグロンなど新製品の投入で減収・減益分を吸収し、売上高1兆1000億円(10年度予想比17.0%増)、営業利益2400億円(同57.9%増)を目標に掲げた。10年度を起点に再び成長軌道にのせる戦略を描いた。また、同日会見した野木森雅郁社長はがん領域を「移植」「泌尿器」に次ぐ、第3のグローバル・カテゴリー・リーダー(GCL)として育成し、パイプライン強化とビジネス基盤を確立する方針も明らかにした。


 
野木森社長は会見で、「泌尿器領域では、10年度は米国でハルナール後発品の影響を大きく受け、減収に転じる」としたが、ベシケアやミラベグロンの成長で泌尿器領域の売上は14年度に2300億円以上(10年度予想は1656億円)に伸長するとの予想を示した。移植領域でも昨年8月に米国でプログラフの後発品が発売され、10年度は減収を迫られる。しかし、同市場では10年度以降は緩やかな売上減を見込むことや、他の市場で成長を持続または堅持するなどの理由から、14年度には1700億円以上(10年度予想は1636億円)への売上回復を見込めるとした。

●日本市場 14年度に売上高5500億円以上に MR2400人体制は維持

地域別でみると、国内医療用医薬品の売上はARBミカルディスや高脂血症治療薬リピトールをはじめ、消炎・鎮痛剤セレコックス、合成抗菌剤ジェニナックなどの既存品の成長に加え、ミラベグロンなどの新製品の寄与を見込み5500億円以上(10年度予想は5109億円)を予想。中計期間中に国内トップのシェア獲得を実現する計画だ。米州は23億ドル以上(同19億4100万ドル)、欧州は19億ユーロ以上(同15億6000万ユーロ)、アジアは600億円以上(同354億円)と、いずれの地域でも拡大を目指す。営業体制は国内がMR約2400人体制を維持(欧州も現状維持)する一方で、米国と中国は増員する計画。


 
一方、17日に発表したOSI買収後のインパクトについては、「14年度は売上、営業利益ともにプラスに寄与する」と述べた。また「がん領域の大きな成長ドライバーになると確信しており、がん事業基盤の早期立ち上げが可能になる」とも説明。がんのパイプラインは4品目が加わり、臨床段階に低分子化合物が8品目、抗体医薬品が5品目に拡充した。中計期間中には中盤から後半にかけて前立腺がんや急性骨髄性白血病、タルセバの適応拡大を含め5品目の発売を予定し、製品特性や地域特性に対応した専門医ターゲティング(がん専門医、血液専門医、泌尿器科医など)を実施し、効率的な販売組織を構築する。併せて、バイオマーカーなどを応用したPrecision Medicine(特定の患者セグメント)の研究、開発も進め、創薬への積極的なアプローチを目指す。

 

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