社内公用語=英語

公開日時 2010/12/07 04:00
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英語の使用を強制され、会社を辞めようと考えたHさん、彼が転職活動で直面した現実は…。

 

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「社内で使う言語をすべて英語にする」
最近、こうした企業が相次ぎ、ちょっとしたニュースになっている。自動車メーカー・アパレル企業・ネットサービス会社などの記事を読んだ方も多いだろう。さまざまな視点から、賛否両論ある話題だが、ここでは転職の現場から社内公用語の英語化を考えてみたい。

 

エンジニアのHさん(27歳)は、現職A社の業績不安を理由に転職活動をはじめたのだが、もうひとつ、会社に大きな不満を持っていた。社内で英語の使用を強制されたのだ。中小の部品製造・検査会社A社で「社内公用語」が英語に定められたのは半年前。取引先の国際化にともなって、社長の鶴の一声で決まったことだった。

 

Hさんは決して英語アレルギーというわけではなかったが、社内の英語公用語化にはほとほと嫌気がさしていた。
「たしかに海外の取引先ができて、英語でやらなければならない仕事も増えました。でも、だからって全部を英語にしなくてもいいでしょう?
国内の発注先に対しても、必要ないのに英語の資料を用意しているんですよ。無駄もいいところ。日本人同士のメールも英語になってからミスが増えているし、社内ミーティングもぎこちない英語でやるから、結局その後席に戻って日本語でコソコソと確認なんてことは日常茶飯事ですよ」

 

A社の方針についていけないというHさんは、英語力を必要としない求人を選んで応募をしていったが、競争倍率が高く、なかなか結果が出ない。そこで我々はHさんに応募の範囲を広げることを提案した。
「Hさんは英語がイヤなのではなくて、無駄に英語を使うのがイヤなんですよね?それなら、半年間苦労したことを活かしましょうよ。英語力のあるエンジニアを求めている求人にも応募してみませんか?」

 

Hさんは当初、難色を示したものの、何もせずに新しい求人が出てくるのを待つよりいいと思ったようで、その後は外資系の技術会社や英語力を重視する求人にも応募していくようになった。
そうした企業では、当然、面接で英語に関する質問が多くなる。Hさんは内心「また英語か…」と、ゲンナリしていたが、A社での徹底した社内英語化の話をすると、どの面接官も感心した様子をみせる。いや、何より、以前に比べて、圧倒的に2次選考に進む確率が高かった。

 

Hさんは思った。
「自分にとって、英語がキャリアの強みになっているということだろうか?」
我々は、Hさんに現状について説明をした。
「英語力のある人材に対する需要は高まっています。特にエンジニアで英語力のある人は強く、実務経験が数か月なのに、理工学部出身で英語力があるという1点で採用された例もあるくらいなんです」

 

これを聞いたHさんは考え込んでしまった。
「無駄と思っていたことが、自分のアピールポイントになるなんて。確かにA社の先行き不安はあるが、もう少しA社で英語力を研鑚してもいいのかもしれない…」
結局、Hさんは転職活動をとりやめることにしたのだった。

 

「社内公用語の英語化」には批判も多い。
「効率的でない。逆に競争力を弱める」
「仕事はできないのに、英語だけできる人が幅をきかせることになる」
「十分に日本語のコミュニケーションすらできていないのに、英語化しても意味がない」
等々…。

 

英語化が日本企業にとって、組織にとって、本当に良いことなのかどうかは分からない。だが、労働市場で英語力のある人材の需要が高まっているのは事実であり、転職でかなり有利に働くことも明らかだ。
個人の視点でいえば、現職企業で英語化があるのであれば、それはむしろ有り難いこと。積極的に利用して、自分のキャリアをより強いモノにしていくのが賢い選択と思えるのだが、いかがだろうか?

 


リクルートエージェント

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