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AZと第一三共 PPIネキシウム トップシェア狙う 圧倒的ディテール量を投入

公開日時 2011/09/13 04:02

アストラゼネカ(AZ)と第一三共は9月12日、東京都内で同日薬価収載されたプロトンポンプ阻害剤(PPI)ネキシウムカプセルの記者説明会を開き、同剤を9月15日に新発売すると発表した。製造・開発はAZ、流通・販売は第一三共が担当し、両社でコ・プロモーションする。両社合わせてMR3500人が情報提供活動するほか、両社合計の卸カバー率99.9%によるMSのコールが期待でき、ネットやリアルによる大規模講演会や小規模な医師同士の情報交換会を積極的に開催する。疾病啓発のDTCも行う。日本で過去に例がないほどの規模のプロモーションミックスを展開して、PPI市場で出来るだけ早期にシェアトップを獲得するよう取り組む考えだ。

第一三共の木伏良一・医薬営業本部長は説明会で、「PPI市場において今までにない最大規模のリソースを投入する」と語った。圧倒的な量のMRディテールやMSコール、ネット上の医師会員12万人へのe-ディテールを行うほか、様々な機会をとらえて「Dr to Dr」の取り組みを手掛ける戦略を披露した。

この「Dr to Dr」の取り組みでは▽全国中継シンポジウム▽発売講演会▽学会▽学会地方会▽エリア講演会▽TVシンポジウム▽座談会――を計画しているという。このうちテレビシンポは第一三共ではあまり行われていなかったが、全国数10か所に会場を設けて医師同士が情報交換できるようにするようだ。木伏本部長は「全国、地域、いろいろなことで『Dr to Dr』を中心に展開したい」と話した。

◎市区郡で専門医と開業医が情報交換

一方、AZの金子潔・プライマリーケア事業本部長は説明会で、「Dr to Dr」に関連して、「ネキシウムでは講演会も行うが、もう少し小さい規模で、例えば医師同士が逆流性食道炎のディスカッションをフルに行い、この中でネキシウムの話題も取り上げていただく。こういう取組みが、もしかしたら開業医の先生方にはより有益ではないかと考えている」「開業医の先生にとっては、患者を紹介できるなど、同じ市区郡にいる専門医と話をしたいとか(のニーズ)がある。ここも十分にサポートすれば、より効果的なプロモーションになると思う」と述べた。従来の本社主導の講演会ではKOLによる講演会が一般的だが、ネキシウムでは、市区郡レベルで専門医と開業医が情報交換できる取組みも戦略的に進め、医師間でネキシウムの話題が多く出るよう工夫するようだ。

◎「国内PPI市場に大きな変化が起こる」

ネキシウムはPPIオメプラゾールの一方の光学異性体(S体)で、胃酸分泌の最終過程を担うプロトンポンプを選択的に阻害して強力な酸分泌抑制効果を発揮する。海外データだが、ピロリ菌陰性健康成人30例を対象にネキシウム20mgとラベプラゾール10mgを朝食前に1日1回、それぞれ5日間連続投与して24時間の胃内pH>4の時間率を算出したところ、投与5日目でネキシウム群が59.8%、ラベプラゾール群が51.7%(P=0.011)とネキシウムの優れた酸分泌抑制効果が確認されている。また、PPIが効きにくいとされる▽CYP2C19酵素活性が高い患者▽ピロリ菌感染陰性者――でもネキシウムの高い効果が確認されており、胃酸分泌抑制作用の安定性も特徴のひとつだ。

ネキシウムは世界売上80億ドル(2010年、IMS調べ)を超える超大型品。AZにとってはクレストールなどと並ぶグローバル戦略製品のひとつで、「日本でのネキシウムの発売は、社内イベントとして今年最も大きいもの」(金子本部長)という。日本でのネキシウムの競合品(PPI)は、市場浸透している長期収載品と、価格競争力のある後発品となる。しかし金子本部長は、「ネキシウムでかなり大きな変化がPPI市場に起こるとみている。ネキシウムにはそれだけの力がある」と強調し、優れた効果と世界ナンバー1の販売実績、第一三共との協業で、国内市場トップを目指すと語った。


 

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