第一三共 米FDAと和解、ランバクシー製品の輸出再開に向け大きく前進へ
公開日時 2011/12/26 04:00
第一三共は21日、連結子会社の印ランバクシー・ラボラトリーズ社のインド国内の2工場で発生していた虚偽データや生産管理の問題で、和解に向け米FDAと合意したと発表した。ランバクシーは米司法当局に375億ドル程度(約5億ドル)の和解金を支払う見通し。第一三共では連結決算上、特別損失の計上が見込まれるため、2012年3月期の連結純利益見通しを、従来予想から240億円減額し、260億円に下方修正した。
ランバクシーをめぐる問題は、FDAから同社のインド工場において製造工程上の問題で、08年9月に米国での一部製品の禁輸措置を受けたのに続き、翌年2月には承認申請資料の一部に虚偽の安定性データがあるとの指摘を受けたもの。そのため、同社の後発品30数品目が米国に輸出できない状況が続いていたが、今回FDAと改善策について合意したことで、再開できる見通しとなった。第一三共によると、再開の具体的な時期については「今後様々な手続き、ステップがあり、現段階では回答できない」としている。
同社では通期業績の下方修正に伴い、経営陣の役員報酬(月額)の一部返上を行うことを決定。庄田隆会長と中山譲治社長が役員報酬の30%、他の取締役が10%と5%を各々6カ月間返上する。
一方、同社は今回のFDAとの合意によって、ランバクシーが11月30日に米国で承認を取得し、販売を開始したアトルバスタチン(製品名:リピトール)を含む既存品の拡大、重要新製品の上市に向け事業活動を強化すると発表した。