薬用石けんのミューズを製造・販売するレキットベンキーザー・ジャパンはこのほど、調理を始める前にハンドソープなどを使って手洗いする主婦が約６割にとどまるとの調査結果をまとめた。同様の調査を飲食店のプロの料理人にしたところ、ほとんどの人がハンドソープなどで手洗いをしていた。同社は、「手洗い時にハンドソープなどの石けんを使用しない場合、食中毒の原因となる細菌が手に残ってしまう可能性がある」と、調理前のハンドソープなどを使った手洗いの徹底を喚起している。

細菌性食中毒の年間患者数の６割以上が、６～９月の高温多湿の時期に報告されている。このため食中毒対策の現状を明らかにするため、同社は５月31日～６月３日に調査を実施した。調査対象は25～49歳の主婦200人と、飲食店などの厨房で勤務するプロの料理人200人。方法はインターネット調査。

調理前の手洗いの状況を聞いたところ、主婦では、「ハンドソープをつけて洗う」が53.9％、「食器用洗剤をつけて洗う」が5.8％で、計59.7％の主婦がハンドソープなどを使った手洗いをしていた。一方で、「さっと水で手を洗い流す程度」が33.5％だったものの、「特に手洗いを意識せずに調理を始める」との主婦が6.8％いることもわかり、同社は「恐ろしい事実が判明した」としている。なお、プロの料理人では96.6％の人が、調理前にハンドソープ、食器洗い洗剤、消毒液のいずれかを使った手洗いをしていた。

過去10年間のデータによると、食中毒の発生件数は家庭1461件（患者数4235人）、飲食店5715件(同11万8613人)と飲食店の方が圧倒的に多いが、食中毒での死亡者数は家庭28人、飲食店６人と家庭の方が４倍以上多く、家庭の方が重篤化する確率が高い。