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慶應大・竹内教授 抗リウマチ薬オレンシア 重篤感染症少ない

公開日時 2013/07/08 05:02

慶應義塾大学医学部リウマチ内科の竹内勤教授は7月4日、関節リウマチ治療に関する記者説明会で講演し、関節リウマチを適応とする生物学的製剤オレンシア(一般名:アバタセプト)について、生物学的製剤の投与で問題となる重篤感染症の発生率が低いと解説した。これは同剤の市販後全例調査の結果を基にしたもので、高齢患者や他の生物学的製剤からのスイッチ例が多いなど厳しい患者背景だったにもかかわらず、重篤感染症の発生率は1.0%だった。

 

記者説明会 は、オレンシアを手掛けるブリストル・マイヤーズと小野薬品が開催した。オレンシアは6月 に点滴静注製剤の市販後全例調査の承認条件が解除されたほか、皮下注製剤の承認も取得している。

 

市販後全例調査の結果を見ると、患者3985人に平均133.6日投与され、重篤な副作用の発生率が2.5%、そのうち重篤感染症は1.0%だった。竹内教授によると、同全例調査の患者群は、先行して発売された他の生物学的製剤の調査と比べて▽他の生物学的製剤からのスイッチ例が7割程度と多い▽平均年齢が61歳と高齢である――ことなどから条件の厳しい患者群という。それでも重篤な副作用、なかでも感染症の発生率が低かったと評した。

 

竹内教授は感染症発生率が低い理由として、オレンシアがサイトカインを調整するT細胞の活性化を抑制する作用機序を持つことを挙げ、TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインを直接阻害する他の生物学的製剤に比べて感染リスクへの防御機能が保たれやすいためではないかとの見方を示した。

 

一方で、竹内教授は海外で実施されたオレンシアとTNF-α阻害薬ヒュミラの直接比較試験「AMPLE試験」の結果に触れ、主要評価項目である1年後の有効性は非劣性を示したものの、治療開始後の速効性ついては直接サイトカインを阻害する生物学的製剤が優れる傾向にあるとの見解を述べた。そのうえで、ファーストバイオとしてオレンシアが適した患者像について、「65歳以上でメトトレキサートを十分使用できない患者」を挙げた。

 

◎リウマチ領域に初参入の小野薬品 学術推進課の設置でMR活動を支援

 

オレンシアは2010年からBMSが製造販売し、今回の全例調査の解除を機に小野薬品も6月から共同販促を始めた。小野薬品はリウマチ領域に初参入だが、骨粗鬆症治療薬リカルボンを手掛けており、整形外科領域でのパイプを生かして展開する方針。小野薬品では専門MR制をとらず、約1000人のMRが販促活動にあたるが、がん及び免疫を専門にする学術推進課を昨年新設しており、MR活動の情報提供を支援していく。
 

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