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試されるHIV感染予防薬

公開日時 2013/08/12 03:51

カリフォルニア大学バークレー校のHIV/AIDS研究グループ(学長オフィス直轄事業)が、州内3か所(オークランド、ロスアンジェルス、サンディエゴ)を実験調査フィールドに、従来の予防事業の枠を超えたより積極的な感染予防事業に取り組む。今年度からの4年継続で研究予算は18ミリオンドルである。研究計画にHIV感染予防薬Truvada(Gilead社製)の投与が盛込まれ、注目を集めている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

http://research.universityofcalifornia.edu/stories/2013/06/hiv-east-bay-study.html 

Truvadaはこれまで、HIV感染者に、AIDS発病予防薬として処方されてきたが、昨年、FDAが「ハイリスクな状況にある非感染者に、HIV感染予防薬として使用」することを認めた。ハイリスクとは、たとえば配偶者がAIDS患者、HIV感染者であるような場合である。 http://start.truvada.com/# 

予防的に使用された場合、Truvadaは感染リスクを42—75%下げると言われている。が、「きちんと服用しなかったために感染したケースを除けば、感染予防率は90%以上」というのが専門家の意見である。

UCグループの実験では、Truvadaはプログラム参加者には無料で配布されることになっている。製造メーカーGilead社が総額およそ20ミリオンドル程度の医薬品を4年間の研究に寄付することで合意しているからだ。

HIV/AIDS研究グループがこのような積極的な予防策をとる背景には、HIVへの新規感染が1980年代の急激な減少以来、毎年5万人前後で推移して減少しないこと、そのうち男性同性愛者の新規感染数は2010年には2万9800人で、08年に比して12%も増加しているという事実がある。

多額の予算を費やして予防に勤めて来た専門家は欲求不満をかくさない。もっと積極的に若者、さらには子どもへのアウトリーチが必要であり、今後は学校やソーシャル・ネットワークを通じて若齢層にアプローチする計画だという。だが、Truvadaにはさまざまな副作用が懸念されており、下痢、吐き気やむかつき、体重減少などのほか、腎臓や骨に問題が出たケースも報告されており、若齢層への使用には不安も残る。

 

【訂正】上記の記事中で、「感染率は90%以上」としていたのは、正しくは「感染予防率は90%以上」です。下線部を訂正しました。(8月13日10時45分修正済み)

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