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FDA 医薬品不足解消で2件の具体策に着手

公開日時 2013/11/06 03:50

米食品医薬品局(FDA)は、米国で特に一部抗がん剤のジェネリック医薬品などに発生している医薬品不足解消を目的に2件の具体策に着手した。FDAが、10月31日発表した。


医薬品不足については、2011年10月に事態を重く見たオバマ大統領が「大統領行政命令」を発動、それにより、医薬品不足の品目数は2012年には117品目と2011年の251から大幅に改善された。しかし、まだ、多数品目の品不足が散見されるためにFDAは以下の2件の具体策に着手した。 


1件目は、2012年の「FDA安全およびイノベーション法」(FDASIA)によりFDAが策定を求められた戦略計画で、短期的には喫緊の医薬品不足問題の解消および長期的には医薬品不足の原因の解決を図ることを目的としている。具体的には、高品質の医薬品製造を継続できるように製薬企業に対して奨励することにより医薬品不足の防止を図る。


同戦略は、10月31日に連邦議会に提出されたばかりだが、具体的には、消費者がスマートフォンで不足状況が直ちに分かるようにアプリケーションをスタートさせるなど消費者とのコミュニケーションの改善、医薬品不足の可能性を減少させるために一定の対策を講じる製造業者にはそれを奨励するために製造業者の役割と責任の明確化、医薬品不足の主な要因である品質確保の問題については、高品質医薬品製造のインセンティブなどを設けるほか、FDAのCDER内に医薬品品質部を設置するなど内部組織の再編、製造および品質問題が発生した場合の早期警告シグナルを見極めるようなリスクに基づいたアプローチからの対策も講ずる。


2件目として、FDAは、全ての製造業者に対して、一定の医療上重要な医薬品については、製造が恒久的に不可能となった場合または、一時的に製造中止をする場合には、FDAに早期に通知させる制度の強化を図った。これには医療上重要な生物学的製剤も含まれる。


「大統領行政命令」においても、医薬品不足の場合に早期通知が求められていたが、FDASIAでは「早期通知」が組み込まれた。既存の通知制度でも、FDAは2011年には195品目の、2012年には282品目の製品不足を防止できたという。このため、今回の早期通知の強化により、さらに不足が防止できると期待される。


FDAのJanet Woodcock医薬品評価研究センター長は、「複雑な医薬品不足の問題は、FDAの解決すべき問題の優先事項であることに変わりはない。早期通知は、医薬品不足の緩和あるいは不足を防止する重要なツールである」とコメントしている。
 

 

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