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【World Topics】アメリカで子どもの脂肪肝が増加

公開日時 2013/11/11 03:50

アメリカでは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の子どもが増加していることが、エモリー大学の Miriam B Voss医学博士(小児科)等の研究によって明らかになった。(医療ジャーナリスト 西村由美子)


研究結果は、米国の子どもの10人に1人、多く見積もれば7人に1人程度が脂肪肝におかされていると推測される、というショッキングなもの。しかも、2007~10年にかけて10%以上も増加しているという。

http://news.emory.edu/tags/expert/miriam_vos/

脂肪肝には、これといって自覚できる症状がない。そのため患者自身が気づかないうちに何年も経緯してしまう可能性がある。だが、進行すれば肝硬変・肝不全へと移行する怖い病気だ。脂肪肝患者の約10%程度がNASHになり、15−20%が肝硬変になる。NASHは回復可能だが、肝硬変になってしまうと肝機能の回復は望めないからだ。


子どもたちの脂肪肝の主な原因は肥満とみられ、実際、同博士の調査では、小児肥満の子どもの40%に、脂肪肝が認められたという。だが、単純に肥満だけ原因とも言い切れない。標準体重の子どもにも脂肪肝がみられるからだ。実際、成人の脂肪肝の発症の機序も,実は、正確にはわかっていないのである。だが、脂肪肝対策の第一歩がダイエット(体重を落とし、食事を改善)であることは間違いない。


子どもの脂肪肝が見落とされてきたのは、「脂肪肝は成人の病気」という先入観があったからだと博士等は示唆する。だが、事態はすでにきわめて深刻である。


アメリカの子どもには、いわゆる「成人病健診」が必要なのではないだろうか。

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