青少年のe-メディア利用にガイドライン 米国小児医学会が勧告
公開日時 2013/12/06 03:50
米国小児医学会(American Academy of Pediatrics : AAP)は10月、フロリダ州オーランドで開催された全国大会で「Children, Adolescents and the Media(青少年とメディア)」と題する報告書をリリース。青少年のメディア利用に学会としてガイドラインを設定し、健康のため、テレビ、スマートフォンからインタネットまでのe-メディアに子どもから大人までが四六時中振り回されている現状を改善すべきとの勧告を発した。http://pediatrics.aappublications.org/content/132/5/958
カイザー・ファミリー財団の調査によれば(2009年)、アメリカの青少年のメディア利用時間は1日合計7時間をこえており、しかもほぼ常に複数のメディアが重複利用されている。さらに最近の調査によれば、低年齢層のメディア利用率がふえており、09年には8%であった「8歳以下の子どもの携帯端末利用者率」が11年には17%になっている。
AAPの報告書は、メディアそのものが直接に健康に悪影響を及ぼすわけではないと明記した上で、長時間メディア漬けの生活は肥満、学業不振、攻撃的な性向、睡眠障害などの原因となると指摘し、現代っ子の健康のためには「メディア・ダイエットが必要」としている。
具体的には、▽食事中および就寝後はデバイスをオフにすること▽テレビゲーム、ソーシャルメディア利用に時間制限およびアクセス制限を設けること、特に2歳以下の場合には1日2時間をこえないようにさせること▽携帯電話での会話やテキスト送受信にも制限を設定すること――などを強く勧告している。
だが、実際にはこうしたガイドラインに従えないのは「子どもでなく、親」ではないかとAAPは指摘する。21世紀の「ファミリー3.0」は、すでにレストランのテーブルで父、母、子ども、それぞれが別々の携帯端末を眺めているからだ。