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ファイザー幹部 節税がM&A戦略に与えるインパクトを語る

公開日時 2014/09/04 03:50

米ファイザーが英・アストラゼネカ(AZ)の買収を今年5月断念した。ただ、英国の関連法規で再度可能となる11月に再度提案するかは、注目されるところだ。ファイザーのGlobal Innovative Pharma (GIP)BusinessのGeno Germano部門長は、8月28日、The Pink Sheetの取材に応じ、再度AZの買収を行うかについては言及しなかったが、同社のM&A(吸収合併)戦略について率直に語った。


Germano部門長は、ファイザーに同社のワイス買収とともに入社、GIP部門を率いてきた。


ファイザーがAZ買収を試みた理由のひとつに本社を米国から英国に移転させることによる節税の問題がある。本社の他国移転による節税をインバージョンと呼ぶが、この節税法はすでに多数の製薬企業が採っている。しかし、この戦略は、ファイザーのような大企業に米国で納税してもらいたいと考える米国の議会議員から大きな反発が出始めた。AZを買収することによって、英国に移転を検討したファイザーの幹部らは、インバージョンを志向することを除外していない。


Germano部門長は、「株主価値を創造する方法を法律に準じた方法で見つけることが我々の仕事だ」とした上で、最近の553億ドルにのぼるアッヴィによる、アイルランドのシャイアの買収を含め、最近のインバージョンの動向を説明した。


同氏は、「インバージョンは米国を拠点とした企業の世界市場における競争力の問題をどう認識するのかだ」と話し、8月24日に発表されたロシュによる米InterMune社の買収(買収額83億ドル)は(競争力の面で)不公平な例だと指摘した。


その上で、「米国を拠点とした企業が83億ドルを支払うことはより困難になっている。いま行われていることは、大きな動きと考える。より低額の税金を支払う企業は、場合によっては節税によって、もっと新たな資産に対して支払えることになる。現金を米国に持ち込むと求められる米国での高い課税を回避するために米国企業は、しばしば、海外市場で生み出した現金をもっている。しかし、このことは、米国外でのM&Aのために使わなければならないことを意味する」と話した。


ファイザーは、大規模M&Aから単一の業務資産(製品、技術など)の獲得までのビジネス展開の機会について全体を見て検討中だ。


Germano部門長は、「我々は、我々の業務や薬効領域に合い、それを補完する資産を探している。そこでは、我々はアンメット・メディカルニーズを満たす能力を持ち、価値を示す能力を持っている」と語った。薬効領域では、自己免疫疾患、炎症、心血管系疾患、代謝疾患、神経科学を挙げた。


多数の投資家は、ファイザーはまだ何も明らかにしていないものの、11月末には英国の関連法規で再度、可能となる買収提案を期待している。そうでないならば、投資家は別の買収を求めるとみられている。


(The Pink Sheet 9月1日号) 

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