武田薬品 抗がん剤モテサニブのアジア共同P3試験を中止 主要評価項目達成せず
公開日時 2015/02/18 03:50
武田薬品は2月17日、抗がん剤モテサニブ(一般名、開発コード:AMG706)の日本を含むアジア共同フェーズ3試験「MONET-A試験」で主要評価項目を達成しなかったことから、同試験を中止すると発表した。モテサニブの今後の開発方針については検討中という。モテサニブで現在行われている臨床試験は、日本で行われている安全性に関する長期試験のみとなる。
同試験はステージIVの非小細胞肺がんを対象に実施したもの。主要評価項目は無増悪生存期間。患者数401人を、パクリタキセルおよびカルボプラチンにモテサニブを併用する群とプラセボを併用する群に無作為に割り付け、両群を比較した。実施地域は日本、韓国、台湾、香港。詳細な結果は順次公表するとしている。
同試験は先に完了していたMONET1試験に続いて実施されたもの。MONET1試験は、非小細胞肺がんを対象にモテサニブとパクリタキセルおよびカルボプラチンの併用治療と化学療法による単独治療の比較検証試験。主要評価項目の全生存率では統計学的に有意な改善が認められなかったが、事前に予定されていたアジア人患者のみを抽出した部分集団解析では全生存率と無増悪生存期間、客観的奏効率で「一貫して良好な結果」が確認されたため、今回のMONET-A試験を行っていた。
モテサニブは血管内皮増殖因子受容体1、2、3、血小板由来増殖因子受容体、幹細胞因子受容体に対する経口低分子阻害薬。武田薬品は2012年6月に、アムジェンから全世界の独占的開発・販売権を獲得した。