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ファイザー・2014年度国内通期業績 前年度比5%減 梅田社長「大変厳しい」

公開日時 2015/03/05 03:52

ファイザーは3月4日、記者会見を開き、日本法人の2014年度(2013年12月~14年11月)通期業績が前年度比5%減となる5020億円だったと発表した。同社の減収は、2012年度以来2年ぶり。主力製品が堅調に推移する中で、同社の業績を根幹から支えてきた脂質異常症治療薬・リピトール、Ca拮抗薬・ノルバスクなどの長期収載品の減収が響いた。会見で、梅田一郎代表取締役社長は、「大変厳しく受け止めている」との見方を示した。


梅田社長は、当初は計画を達成できる見通しだったことを明らかにした上で、「長期収載品については、想定以上にGEに置き換わった」と説明。同社の売上は、長期収載品が支えており、「その損失は大きかった」との見方を示した。なお、薬価改定では、全体で約2%程度(消費増税分含む)の影響を受けたとした。

一方で、慢性疼痛治療薬・リリカ、過活動膀胱(OAB)治療薬・トビエース、腎細胞がん治療薬・インライタ、肺がん治療薬・ザーコリなど主力製品が堅調な推移を示した。梅田社長は、「新薬については計画に従った業績を達成することができた」とした上で、「ブロックバスター品のLOE(主要医薬品の独占期間満了)を乗り越えながら必死に頑張った数字ではある」と強調した。


今後の方針として、イノベーションに力を入れ、パイプラインを強化する考え。2015年度は、5品目以上(適応追加など含む)の承認取得を目指す。現在、ゼルヤンツの適応で「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬(PsV)/関節症性乾癬(PsA)、エリキュースの適応で「静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制」などが申請中とした。そのほか、期待の新薬として、高コレステロール血症・家族性高コレステロール血症患者を対象としたPSCK9・bococizumabや乳がん治療薬・pallbociclibが臨床第3相試験実施中。


◎アカデミア、バイオベンチャーとの提携加速でパイプライン強化


さらなる開発パイプランの強化のために、日本のアカデミアやバイオベンチャー、製薬企業などとの提携を加速させることに注力する方針も示した。同社はすでに東京大学と創薬共同の戦略的パートナーシップ契約を締結するなど、オープンイノベーションに力を入れている。同社の取締役執行役員医薬開発部門長の原田明久氏は、がん免疫療法や細胞治療、遺伝子治療など新しいサイエンスに継続的に取り組む考えを示し、「戦略的アライアンス、オープンイノベーションが成功への鍵」との見方を示した。


原田氏は、大学側は疾患に着目した研究を進めていると説明。パートナーシップを組むことで、これまで企業がもっていた標的やメカニズム、薬効について、疾患を起点に関連を知ることが可能になると説明した。こうした知識を得ることで、創薬に至る可能性の高い薬剤を選定、投資を行うことも可能になるとの考えを示した。


その上で、国内には創薬経験があり、治療薬の製造能力を有する中小の製薬企業があると説明。こうした中小の製薬企業と、大学、メガファーマの3社がパートナーシップを組むことで、「日本の創薬環境は劇的に変わるのではないか」との見方を示した。日本医療研究開発機構(AMED)が4月に正式発足するが、「全員参加型の創薬環境を整えることがゴールではないか」と述べ、中小の製薬企業側のマインドチェンジが日本発のイノベーションを実現するカギになるとの見方を示した。
 

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