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行革会議・歳出WG 製薬協「GE目標設定は新薬創出とのバランス考慮を」

公開日時 2015/06/01 03:52

行政改革推進会議(議長:安倍晋三首相)の歳出改革ワーキンググループ重要課題検証サブ・グループは5月29日、後発医薬品(GE)の使用促進をテーマに開かれ、日本製薬工業協会(製薬協)、健康保険組合連合会(健保連)など関係団体からヒアリングを行った。製薬協の畑中好彦副会長(アステラス製薬・代表取締役社長)は、GE数量シェア80%の目標達成時期については明言せず、「新薬開発への影響について考慮すべき」と強調。目標期間の設定については柔軟な対応も求めた。
 

サブ・グループでは、ヒアリングを通じて「GEの使用促進に向けて実務的、実証的に何が有効か抽出する」(座長:土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授)ことを目的に議論を進めている。6月中にも中間とりまとめを行い、親会議である行政改革推進会議に報告する方針だ。


製薬協は、製薬産業のビジネスモデルとして、特許期間中に研究開発の投資分を回収し、新薬や未承認薬などの研究開発への再投資を行うことが“基本”との考えを示した。ただ、長期収載品比率は、ビジネスモデルの転換が功を奏し、1割と新薬比率が高い企業もあれば、8割と依然として長期製品に売上を頼らざるをえない企業もある。収益構造は企業間の差が大きいのが現状だ。

製薬協は、長期収載品比率が高い企業について、「ビジネスモデルの転換をしている最中」と説明。「後発品の使用促進における政府の方針が急に変わると、うまく適合できない企業は経営が苦しくなるかもしれない」との考えを示した。研究開発型製薬企業の使命でもある革新的新薬の創出には、多額の研究開発費の継続的、安定的な投資が必要になる。製薬協は、そのためには企業体制の維持、強化が重要として、急激な環境変化が企業体制そのものに与える影響についての理解を求めた。


GE数量シェア80%の達成時期については、厚労省案では2020年度末とした一方で、諮問会議の民間議員や、財政制度等審議会財政制度分科会からは2017年度内との声があがっている。製薬協側は、達成時期については明言を避け、「新薬創出にも多大な影響を及ぼすことから、全体バランスを十分に考慮する必要がある」と指摘した。また、新薬創出加算の制度化をはじめ、薬価におけるイノベーションの評価も求めた。


◎健保連 GE促進は国民の医療費適正化理解に効果  医療費削減効果は限定的


健保連の白川修二副会長は、GEに代替可能な先発医薬品を最低価格のGEに置き換えた場合の医療費削減効果は428億円、薬剤費における削減率は17.21%との健保連の試算を示した。GE使用促進による医療費削減効果は限定的であるとした。


一方で、高齢化が進展し、保険財政がひっ迫する中で、国民が医療費適正化について理解を深めることの重要性を強調。GEの使用促進を進めることが「国民が医療適正化について考える良いきっかけになる」との考えを示した。「GEの使用促進は、全国どこでも取り組める。取り組みやすいことなので、積極的に取り組んでほしい」とした。


そのほか、日本薬剤師会からは、GEの使用促進策として、▽一般名処方のさらなる促進、▽GE銘柄指定の減少、▽GEの品質確保、安定供給と薬局の在庫負担の軽減—を必要な施策としてあげた。みずほ情報総研からは、GE促進に向けた各都道府県の取り組みとして、GEリストの作成などが紹介された。
 
民間議員からは、データの不足を指摘する声がよせられ、GE数量シェア引き上げに抵抗しているのではないか、との声もあがったという。

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