マルホはこのほど、乳児血管腫治療薬プロプラノロール塩酸塩（一般名）について承認申請したと発表した。申請日は９月25日。承認されれば国内初の治療薬となる。厚労省から13年11月に希少疾病医薬品の指定を受けている。

有効成分のプロプラノロールは高血圧、狭心症、不整脈などの治療ですでに臨床現場で使われているが、2008年に乳児血管腫に対する効果が報告され、仏PFD社が小児用シロップ剤として開発した。マルホは12年12月にPFD社から日本での独占開発・販売権を取得した。

乳児血管腫は鮮明な紅いあざが苺状に膨らむことが多いため、一般には苺状血管腫として知られている。乳幼児に最も高い頻度で発症する良性腫瘍で、日本人の発症率は１％前後とされる。生後１～４週に血管腫が出現し、１歳くらいをピークに最大化して５～７歳くらいまでに90％以上が自然退縮するが、目や気道付近など発症部位によっては生命や機能に影響を及ぼす場合があり、治療が必要となる。