米FDA 先天性第X因子欠損症治療薬Coagadexを承認 初の補充療法剤
公開日時 2015/10/23 03:50
米食品医薬品局(FDA)は10月20日、英Bio Products Laboratory Limited社の先天性第X因子欠損症治療薬Coagadex(ヒト血液凝固第X因子濃縮製剤)を承認した。先天性第X因子欠損症を特定した初めての補充療法剤となる。適応は、12歳以上の小児および成人における先天性第X因子欠損症における出血エピソードのオンデマンド治療および管理、ならびに周術期における出血管理。
先天性第X因子欠損症の治療薬としては、従来、止血もしくは出血予防には新鮮凍結血漿あるいはプロトロンビン複合体濃縮製剤しか治療法がなく、新たな治療選択肢となる。
安全性および有効性は、16例208件の出血エピソード(自然発生的、外傷性および重度の月経性)を対象とした多施設・非無作為化臨床試験で検証された。同剤についての有効性が示されたほか、安全性の懸念は示されなかった。
FDA生物製剤評価研究センター(CBER)のKaren Midthunセンター長は、「Coagadexの承認は、この稀だが重篤な先天性第X因子欠損症に悩む患者の治療における大きな進歩を示すもの」とコメントした。同剤は、FDAから希少疾病薬の指定を受けたほか、迅速審査の対象となった。
開発したBio Products Laboratory社(本社:英国ハートフォードシャー州エルストリー、米国法人:ノースカロライナ州ダーハム)は、血漿由来の血液製剤の開発・製造に特化しており、60年以上の歴史を持つ。
先天性第X因子欠損症患者は米国では約400~600人。出血リスクが常に高く、血友病患者と同様に管理が必要とされる。