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中医協 2つの再生医療等製品の保険適用決定 JCRの急性GVHD治療用とテルモの心不全治療用

公開日時 2015/11/19 03:51

厚労省の中医協・総会は11月18日、2つの再生医療等製品の保険償還価格を決めた。1つは、造血幹細胞移植後の重い合併症である急性移植片対宿主病(GVHD)の治療用製品「テムセルHS注」(JCRファーマ)で、11月26日に薬価基準に収載予定。もう1つは、心不全患者の心臓表面に移植して症状を改善する「ハートシート」(テルモ)で、16年1月1日に材料価格基準に収載予定。

この2製品は、再生医療等製品を新たに定義し、規制を盛り込んだ医薬品医療機器法の施行後、9月に再生医療等製品として初めて承認された。それぞれの製品の発売については、製造の準備などが必要だとしてJCRファーマは年明け以降2月頃までの間、テルモは来年春頃をそれぞれ予定している。各製品の償還価格は以下のとおり。

テムセルHS注(ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞、JCRファーマ)
効能・効果:「造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病」
価格:10.8mL1袋 86万8680円(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数260人、販売金額35億円
 
ヒト間葉系幹細胞(MSC)の免疫反応を抑える特徴を生かし、効果を発揮する。同細胞は、健康な成人から採取した骨髄液から分離、培養し、患者の静脈内に投与する。MSCは、免疫原性が弱いという特徴を有することから、他人の細胞由来であるにもかかわらず、患者の組織型等を合わせることなく、必要とされる患者に広く投与できるというメリットがある。超低温による流通が必要であるため、メディパルホールディングスと共同で開発した超低温輸送システムを用い、供給する。
 
ハートシート(ヒト(自己)骨格筋由来細胞シート、テルモ)
使用目的:薬物治療や侵襲的治療を含む標準治療で効果不十分な虚血性心疾患による重症心不全の治療
価格:Aキット 636万円/Bキット 168万円(原価計算方式で算定)
推定適用患者数:5年で123人
 
患者自身から採取した骨格筋に含まれる骨格筋芽細胞をテルモが培養した後に、専用容器に充てんし凍結保存したものを医療機関においてシート状に調製し、患者の心臓表面に5枚を移植して使用する。その過程で両キットを用いる。
 
これまでになかった再生医療等製品の償還価格については当面の間、厚労省は、個別の製品の特性を踏まえ、医薬品か医療機器のいずれで対応するかを判断し、薬価基準か材料価格基準に収載することにしている。今回、テムセルは医薬品、ハートシートは医療機器として扱われ、それぞれ中医協の関係組織が償還価格を算定した。
 
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