協和発酵キリンは１月29日、2015年12月期（１～12月）決算を発表し、医薬事業は売上2792億円、前期比10％増と２ケタ成長した。営業利益は362億円、25％増だった。主力の持続型赤血球造血刺激因子製剤ネスプが堅調に売上を伸ばしたことに加え、14年11月に新発売した持続型G-CSF製剤ジーラスタが早くも100億円超の売上を達成したことが業績全体に大きく寄与した。

ネスプは売上575億円（前期比４％増）で、14年12月に骨髄異形成症候群に伴う貧血の適応拡大などが増収に寄与した。ジーラスタは、前期に３億円だった売上げが今期は103億円となった。ジーラスタは、同社のグランにポリエチレングリコールを結合し、体内での分解遅延などで持続効果を得られるようにしたもの。グランは連日投与で用いるが、ジーラスタは化学療法１サイクルあたり１回投与で済む。また、グランではできない予防投薬がジーラスタでできることも使用拡大につながった。

16年は売上2680億円（同４％減）、営業利益230億円（同36％減）を計画。ジーラスタやDPP-4阻害薬オングリザ、抗パーキンソン病薬ノウリアストなどの新製品群は増収を見込むが、４月に予定されている薬価改定や、研究開発の進展に伴う費用の増加などにより、全体では減収・営業減益になるとしている。

【連結実績（前年同期比）　16年予想】
売上高    　3463億1600万円（9.3％増）　3510億円
営業利益　 437億6500万円（21.0％増） 300億円
経常利益　392億300万円（32.8％増）  250億円
純利益    　297億7400万円（87.3％増）     160億円

【主要製品売上（前年同期実績） 16年予想、億円】
ネスプ 575 （553） 546
エスポー 19 （24） 14
レグパラ 182 （163） 189
ロカルトロール 51 （46） 33
オングリザ 48 （12） 69
コニール 100 （120） 74
コバシル 25 （28） 18
ジーラスタ 103 （3） 150
グラン 59 （92） 33
フェントス 61 （59） 65
ポテリジオ 19 （15） 19
5-FU  23 （24） 11
ロミプレート  30 （27） 31
アレロック 221 （236） 181
パタノール 128 （118） 122
アサコール 61 （59） 49
ドボベット 47 （11） 54
ノウリアスト 53 （28） 69
デパケン 87 （94） 77
ナウゼリン 35 （38） 28
技術収入 119 （139） 73