エーザイ 地域営業強化 医療連携推進法人本部等へ本格展開 経済性考慮し長期品、GE含む提案も

公開日時 2016/03/04 03:52
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エーザイの内藤晴夫社長は3月3日、都内の本社内で開いた記者懇談会で、今後、地域医療の体制や担い手が変化することを見越し、新しい地域営業戦略を4月から実施することを明らかにした。今後、拡大が見込まれる在宅医療や、地域医療連携推進法人の創設に伴う法人本部による薬剤共同購入等に対する営業活動の強化が柱。病院や保険薬局の法人本部への提案や交渉、地域連携支援などを行う「キーアカウントマネージャー」(KAM)を倍増し60人程度を配置する。経済性も重視される市場であるため、新薬だけでなく長期収載品、ジェネリック(GE)を含むエーザイグループの複数の製品をパッケージで提案し、治療効果と経済性を併せ持った価値を訴求することで採用拡大を図りたい考えだ。

これは同日発表した2025年度までの10カ年経営計画で示されたもの。この中で地域戦略の狙いを「『住み慣れた場所、地域やコミュニティで自分の病気を管理し、予後や老後を安心して過ごしたい』という思いに応える」と定め、その実現に向け取り組む。同社は、これまでも地域包括ケアに対応した組織と営業活動を展開しているが、今回は現行の戦略を強化する形。

今回、「優れたアウトカム(治療成果)が証明されれば、アクセスが推進される」として、医療関連のビッグデータやリアルワールドデータを解析、要介護度の改善やQOLの改善、骨折予防などのアウトカムがグループの薬剤パッケージで可能であることを示す。データ解析は、4月に新設するデータセンターが担う。

具体的には、地域医療でニーズが高く、取り扱い製品のある認知症、不眠症、骨粗鬆症、便秘症において、グループの複数製品からなるパッケージによる治療成果と経済性を検証し、その情報を持ってKAMが法人本部などに提案活動を行う。経済性も考慮し、長期収載品、GEを含めた提案を想定しており、内藤社長は「パッケージが生み出すアドバンテージ、メリット」を訴求したいとし、「この戦略の下ではGE、長期収載品は決してすてたものではない。重要な構成要素である」と説明した。BtoBビジネスの要素が強まるとの認識を示した。

KAMについては、対法人への薬剤パッケージの提案、契約、薬剤のフォーミュラリーへの登録などの交渉などを行う「ゲートオープナー」の役割だとした。そのあとにMRが製品情報提供、情報収集を行う流れ。すでに配置されているKAMは、対グループ病院、薬局担当は元支店長クラスがあたっているという。ほかには地域連携支援を担当する者もおり、支援実績が高い若手も配属されているという。

認知症の課題解決支援を事業化 IT企業と開発 多職種連携支援、ICチップ製剤による服薬支援等


4月に「認知症ソリューション本部」を新設し、認知症の課題解決支援を事業化することも明らかにした。早期診断システムや、多職種連携を円滑に行うための地域ネットワークシステム、ICチップ製剤による服薬支援、ウエアラブル端末による見守りツールなど治療薬以外のソリューションサービスをIT企業などと開発を進める。これも「地域で安心して暮らしたい」との思いを実現する地域戦略の一環で、同社の事業の柱の1つに育成したい考え。

2020年度目標 売上収益8000億円以上 日本は年平均3%成長


今回発表した10カ年経営計画では、20年度段階の数値目標を示し、売上収益は15年度見通しより約2500億円増の8000億円以上、営業利益は倍増の1000億円超を目指す。年平均成長率は約8%で、欧米市場がけん引し、海外は10%以上の成長を描いたのに対し、日本は約3%とした。日本では、抗がん剤のレンビマ、ハラヴェン、抗てんかん薬フィコンパ、抗リウマチ薬ヒュミラなどが成長ドライバー。

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