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バイオシミラーで2020年までに多額の医療費節減 IMS報告書

公開日時 2016/04/11 03:50

米調査会社IMS Healthは3月29日、今後、欧米でのバイオシミラー(BS)の市場浸透が進むと2020年までに1100億ドルの医療費が節減できるとの研究報告書を発表した。


「Delivering on the Potential of Biosimilar Medicines: The Role of Functioning Competitive Markets」(バイオシミラー医薬品の可能性を提供する:機能する競争市場の役割)と題する報告書では、EU諸国および米国での医療環境を背景に、BSがどのような条件下で伸長するか、BSの普及による医療費への影響などを分析した結果を示した。同報告書における調査結果の主な注目点は以下の通り。

*2020年までに8剤の先発バイオ製剤の特許が失効、EUおよび米国で合計560億ドルから1100億ドルの医療費が節減可能となる。BSの市場参入により、医療制度は、先発品と比較して、1日あたり薬価を30%低く抑制できることになる。実際の節減額は、政策決定やBS使用へのインセンティブ、教育、薬価などによって変わってくる。

*バイオ製剤への患者アクセスは、BSが入手できるようになると100%程度増加する。EUでは、EPO、G-CSF、HGH(ヒト成長ホルモン)の使用量はBSが発売されたのちに全て増加した。この増加は、適応追加の寄与もあるが、多くはBSが入手できることによる。ルーマニア、ブルガリアおよびチェコなどBSへのアクセスが制限されていた諸国では、BSが導入されて以来、EPOの採用は平均250%以上増加した。このことは、BSが低価格であることとそれが費用対効果を持つとする治療ガイドラインが改定されたことが寄与したとみられる。

*現在30社ほどが、BSを開発中である。2020年までには、そこから多数のBSが生まれ、開発中の主流は、インフリキシマブ、エタネルセプト、リツキシマブ、アダリムマブなどだが、これらは激しい競争になると思われる。だが、一方、このことは、保険者には節約が具体化することであり、医師や患者にとっては、これら重要な治療薬へのアクセスが確保されることになるのだ。


IMS HealthのMurray Aitken上級副社長兼IMS Institute for Healthcare Informatics常務は、「安全かつ有効で手ごろな価格の生物学的製剤の治療選択肢は、医療制度がより多くの患者アクセスへの機会を広げることであり、新規分野への投資にリソースを解き放つことだ」と述べたうえで、「これはまた有意義な経費節減をもたらす。だが、全ての市場が急激に増えるBSからのベネフィットに十分に準備できているわけではない」と話した。

 

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