EMA年次報告2015年版 承認勧告数は93剤
公開日時 2016/05/27 03:50
欧州医薬品庁(EMA)が、2015年に承認勧告した薬剤数は93剤に上ったことが分かった。そのうち新規有効成分は39剤だった。同庁が、5月17日発行した「EMA年次報告書2015年版」(EMA 2015 Annual Report)で明らかになった。
承認薬剤のうちEMAから開発中に科学的アドバイスを受けた申請者の約半数が承認勧告を受けたことも分かった。新規有効成分を含有する薬剤では同アドバイスを受けた割合は85%に達する。アドバイス内容別では、EMAのアドバイスを依頼した件数は510件、HTA(医療技術評価機関)へ並行して科学的アドバイスを依頼した申請は30件だった。
また、希少疾病薬指定件数は127件、小児臨床試験計画の承認勧告は71件、先進医療分類指定の推奨は31件などとなった。
欧州の医薬品副作用収集・管理システムであるEudoraVigilanceでは、2015年には、副作用と疑われる症例120万件(中央審査方式および一国審査方式における欧州経済地域=EEAおよびEEA以外の国の総数)が登録された。EEA諸国では、患者報告が48000件を超えたが、これは前年比30%増となった。増加した要因は、患者が、自分が経験した副作用と思われる事象を直接報告する機会を増やしたことによると考えられている。
年次報告書2015年版では、EMAが2015年に発足させた新たなプロジェクトなどについても解説した。そのなかには、アンメットメディカルニーズのある薬剤開発を支援するPRIME(PRIority MEdicine)プロジェクトの発足準備、抗生物質耐性撲滅への取り組みやエボラ熱対策など公衆衛生課題への取り組み強化などが特記された。
また同年次報告書では、EMA幹部および有識者に対して下記のテーマでインタビューを試み、そのテーマについての見解を紹介している。
*規制者および医療技術評価(HTA)機関から求められる、双方のデータ要件をどのようにリンクさせることが出来るか?
*ヘルスケアにおけるビッグデータは挑戦なのか、あるいは機会なのか?
*がん免疫療法はがん患者にとって新たな希望なのか?