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EMA 次の本部、イタリア、スウェーデン、デンマーク?

公開日時 2016/06/29 03:50

英国のEU離脱が6月24日の国民投票で決まったが、ロンドンに本部のある欧州医薬品庁(EMA)がどこへ移転するのかについて、関心が集まっている。ウェブ専門媒体「Politico」欧州版によると、すでにイタリアの当局者や、スウェーデン、デンマークの製薬企業が誘致に関心を示しているという。

関係者の間では、欧州での地理的要衝で便利な地点ではロンドンで意見の一致を見ていたが、ロンドン以外では、パリ、アムステルダムの名前が上がっている。パリは訪問には良い場所だが物価が高いとの評判で早くも圏外の様相だ。

イタリアの名前が上がっているのは、EMAのGuido Rasi長官がイタリア人であること、また、長官就任前にはイタリア医薬品庁(AIFA)長官を務めていたことや現AIFA長官が誘致を強く求めていることなどが理由になっている。しかし、Rasi長官は、まだ、何も決定していないと話している。

スウェーデンについては、同国製薬企業が、カロリンスカ研究所があることや同国がライフサイエンスを得意としていることなどを上げ、誘致に熱心である。

デンマークについても、製薬団体は、大規模な医学研究コミュニティーがあることやノボノルディスク、ルンドベックなど世界的製薬企業があることを訴え、誘致を図っている。

一方、離脱により、英国市場は今後どうなるのか、また、現在の欧州医薬品庁(EMA)が行っている中央審査方式がどうなるのか-などを懸念する声明が関係団体から相次いで発表された。

英国製薬工業協会(ABPI)のMike Thompson CEOは、6月24日、「英国国民の声を聴いた。しかし、その結果は、英国での我々業界のおける将来の投資、研究、雇用に対する差し迫った課題を生んでしまった。このような事情によって、我々は、英国政府と緊密に協力し、英国市場は開かれているということについて強いシグナルを送るための必要な手段についての合意を目指す必要がある」と英医薬品市場への懸念払拭に努力する考えを示した。

英国ジェネリック医薬品協会(BGMA)ならびに英国バイオシミラー協会(BBA)のWarwick Smith事務局長は、同日、「単一の欧州医薬品販売承認制度の存在は患者、英NHS(国民保健サービス)および医薬品業界に多大なメリットをもたらしてきた。同制度は、製薬企業には経費を削減し、簡素化を図り、高品質の医薬品の生産ならびに患者が入手しやすい規制整備を行ってきた」と現行中央審査方式のメリットを強調したうえで、「英国のジェネリック医薬品およびバイオシミラー医薬品業界は、英政府に対して、今後のEUとの離脱交渉においては、この欧州の販売承認制度維持のためにできることは何でも行うよう要請したい」と現行制度の維持を強く求める意向を示した。 


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