EFPIA Japan ワクチン安定供給で見解 製造元を国内外に分散を 予想外の事態想定して
公開日時 2016/07/07 03:50
欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)は7月6日、予想外の事態でも日本市場でワクチンが安定供給されるよう、製造元を国内外の複数業者に分散させることや、規制要件の国際的調和を推進して海外ワクチンが早期に国内導入・出荷できるようにすべきとのステートメント(=見解)を発表した。
最近のGMP違反事例や4月の熊本地震によって、ワクチン製剤を代替供給できなかったり、代替供給できたとしてもその増産に数か月かかるなど、ワクチンの安定供給に関する課題が改めて浮き彫りになった。7月6日が、ルイ・パスツールが近代的ワクチンを世界で初めて接種した「ワクチンの日」でもあることから、EFPIA Japanはこの日、日本のワクチン事業に関し、「予想外の事態を想定した安定供給体制を構築し、非常時のリスクと影響を最小限とする対策を平時から講じることが必要」などとする見解を出した。
見解では、海外ワクチン製造業者の多くがグローバル製造業者であることから、「複数の国に分散された国際的ネットワークを有するため、非常時にも持続的供給により柔軟に対応できる」などと訴え、特に重要となる定期接種ワクチンについては製造元を国内外に分散すべきと提案した。
国内規制にも触れ、現在の承認・出荷プロセスなどの規制要件は海外ワクチンの早期導入や国内出荷にあたり「大きな負担になっている」と指摘。これら規制要件の国際的調和を推進することで、負担軽減と安定供給リスクの最小化につながるとした。具体策の一例として出荷プロセス(重複する品質試験や国家検定試験)を簡略化または並行実施することを挙げ、現在、製造業者で製剤化されてから実際に市場に供給できるまでに6か月前後かかるところを、「品質を確保しつつ、時間短縮を図ることが可能になる」と主張している。