ニプロは２月７日、英国スコットランドのTC BioPharm社が英国で開発を進めている、がんに対するCAR-T（キメラ抗原受容体T細胞）療法について共同開発契約を締結したと発表した。TC BioPharm社は同療法に用いる「ImmuniCAR」の開発を進めている。ニプロは開発段階に応じたマイルストンの支払い、治験費用の分担し、将来的には開発品の独占実施権を得ることになるとしている。日本での開発は未定。

契約により18年上半期から共同開発を進めるという。ニプロは「ImmuniCAR」の開発ステージや上市の目途、契約に伴う一時金など経済的条件は開示していない。

両社は資本提携関係にあり、ニプロはTC BioPharm社に約11％の出資をしている。資本提携時の目的は「TC BioPharm 社の英国、ＥＵ，米国でのがん免疫療法の実用化を支援」としていたが、今回ニプロが共同開発することで早期実用化を目指すことになった。

ニプロは細胞培養関連製品の開発・販売の実績があることから、以前からTC BioPharm 社が生産に使用する細胞培養液や培養容器を供給するなどの協力関係にはあった。