エーザイと米バイオジェンは7月6日、早期アルツハイマー病を対象に共同開発している抗体医薬「BAN2401」のフェーズ2(「201試験」)の18か月時点における最終解析で、BAN2401最高用量投与群がプラセボ群に比較して統計学的に有意な症状の進行抑制を示したと発表した。
解析を行った「201試験」は、アミロイドベータ(Aβ)の脳内蓄積が確認されている早期アルツハイマー病患者856人を対象としたプラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化試験。エーザイが新規に開発した評価指標であるADCOMS(Alzheimer’s Disease Composite Score)を用いて行われた。
その結果、18か月時点において、BAN2401最高用量投与群で、プラセボ群より統計学的に有意な症状の進行抑制を示すとともに、アミロイドPET解析の結果、同じく最高用量投与群では、アミロイドPETでの脳内アミロイド蓄積量の減少、アミロイドPETイメージ読影診断での陽性から陰性へのコンバージョンについて、プラセボ群に比較して統計学的に有意な改善を示したとしている。
両社は2014年に、Aβの蓄積を抑えるAD治療薬の共同開発・共同販促契約を締結。その際は現在フェーズ3のBACE阻害薬「E2609」と、今回の「BAN2401」を対象にしていた。BAN2401について12か月時点の解析では主要評価項目を「満たさなかったと判断した」と発表し、プロトコルに従い18か月時点の最終解析に向け試験を継続することにしていた。