有限会社オフィス・ミヤジン医薬コンサルティング部門宮本研今月のポイント▼アポイントメント制度の拡大は、ＭＲと医師が偶然に出会う機会を減らし、双方向コミュニケーションに支障を生じさせる。▼双方の信頼醸成においては、面談のブランク期間を含めて、院内で瞬時に利用できる連絡手段の確保が欠かせない。▼医師側からのコミュニケーションを増加させる手段について、製薬業界はさらに具体策を練るべきである。廊下の奥にＭＲ業務を終えて医局棟へ戻ってくると、廊下の向こう側に黒いスーツ姿が１人だけ見える。「おおっ、ＭＲが来ているな・・・」久しぶりに大学病院での非常勤となり、医師としてこの「気がつく」感覚を取り戻してから、過去の経験値と対比するようになった。ダークスーツ姿を基本にして、医局前で静かに立っているＭＲは、もう...