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FDA Abraxane 膵がんの適応追加承認

公開日時 2013/09/11 03:50

米食品医薬品局(FDA)は9月6日、米・セルジーン社の抗がん剤Abraxane(アルブミン結合懸濁型注射用パクリタキセル凍結乾燥製剤)について、ゲムシタビンとの併用下において、末期(転移)膵がん治療薬としての適応追加を承認した。


同剤の安全性・有効性は、861例を対象としたランダム化比較試験(RCT)で検証された。Abraxane+ゲムシタビン併用投与群、ゲムシタビン単剤投与群に割り付け、治療効果を比較した結果、Abraxane+ゲムシタビン併用群は、ゲムシタビン単剤群よりも平均1.8か月延命した。また、併用群ではがん細胞の成長が単剤投与群に比べ、平均1.8か月遅かった(無病生存期間)。


両剤の併用による主な副作用は、好中球減少症、血小板減少症、疲労感、末梢神経障害、悪心、脱毛、末梢浮腫、下痢、発熱、嘔吐、発疹、脱水など。重篤な副作用では、敗血症、肺炎などがみられた。


Abraxaneは、米セルジーン社(ニュージャージー州サミット)が販売する。は米国では、2005年に乳がん、12年に非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で承認。国内では、セルジーン社から導入した大鵬薬品がアブラキサンの製品名で10年9月に乳がん治療薬として発売した。大鵬薬品は、13年2月21日に同剤について、胃がんおよびNSCLCの適応追加の承認取得している。なお、膵がんについては、現在、フェーズI/IIの段階にある。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazudur血液・腫瘍製品部長は、「膵がんの患者はしばしば、がんが進行後に診断され、切除不能となった状態である」と指摘した。その上で、「このような状況や術後がんが進行した場合に、Abraxaneのような治療選択肢は患者の延命に役立つ」と同剤の登場を歓迎した。


一方、同剤を販売するセルジーン社のJean-Pierre血液・腫瘍担当副社長は、「15年以上にわたってゲムシタビンが膵がんの標準治療だった。今回、ゲムシタビンにAbraxaneを追加投与することで、高い安全性をを保ちつつ、全生存期間を含め効果の改善が示されたことは意義深い」とコメントした。


米国の膵がん行動ネットワーク(Pancreatic Cancer Action Network:患者団体)のJulie Fleshman会長は、「FDAのAbraxaneを承認したことは、治療成績改善に向けた治療の進歩として重要な1歩である。PCANは、この成功と進歩のうえにがんとの闘いのゴールを築き上げるために今後も医療界と協力していく所存だ」と話している。


膵がんは、米国ではがんによる死亡原因の4番目。米国立がん研究所(NCI)によると、13年には、4万5220人が膵がんと診断され、3万8460人が膵がんで死亡すると推定される。

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