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大日本住友製薬 山本 助安 さん  (1/2)

公開日時 2014/12/27 00:00
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伝える力は誰にも負けない!

 

大日本住友製薬
西日本地域本部 地域統括部 戦略グループ

エリア・アカデミック・コーディネーター

(トレリーフ推進担当者)

主事補

山本 助安 さん

 

2001年4月旧大日本製薬株式会社入社。岩手県中小病院・開業医(雫石町~宮古市)担当、秋田県大学病院・基幹病院担当、営業人材開発本部人材育成グループを経て、13年10月から現職。トレリーフ製品の専任MRとして、中国・四国地方を担当。神経領域(パーキンソン病)の重要医師を担当MRと訪問。自身も21施設の売上目標ももつ。地域の講演会の運営、企画を通じ、エリアの活性化にも携わる。単身赴任中の自宅には、テレビを置かず、帰宅後は製品の勉強に励む毎日という。プライベートでは、2児の父。趣味・特技の石鹸作りは、アトピーのお嬢さんのために始めたという優しい父親の顔も。

 

 

高いプレゼンテーション能力と人間力を評価され、“医療への貢献”をキーワードに2014年のナンバーワンMRを決めたMR#1(ナンバーワン)コンテストで、MVMR(最高殊勲MR)を受賞した大日本住友製薬の山本助安さん。優秀な普段のMR活動で何を心がけているのか。訪問先である病院の医師、看護師、担当する支店、営業所の支店長、所長、同僚、後輩MRの声や、MR活動に影響を与えた上司の声からそのヒントを探った。(望月 英梨)

 

本コーナーは、年に1回、“医療への貢献”をテーマにナンバーワンMRを決めるMR#1コンテストのファイナリストの日常のMR活動の中から、医療従事者から評価されるポイントを探ります。

 

 

プレゼンテーション力
裏には一週間前からの地道な準備

 

「病院対象の講演会でプレゼンテーションをしたところ、聞いていた大学教授が感動して、秘訣を聞かれた。言葉だけでない、表面上だけでないものを伝える力が強い」(岡山第一営業所・伊藤英樹所長)

 

取材した全員から挙がった声が、山本さんのプレゼンテーション能力の高さだ。顧客からだけでなく、社内でも「営業本部の会議で経営幹部に発表以降、社長にも名前で呼ばれるようになった」というほどだ。

 

MR#1コンテストでも、iPadを片手に語りかける、スティーブ・ジョブスを彷彿とさせる独特のスタイルで、「本来であれば60分かかるお話ですが、今日は5分間ということで、特別バージョンでお話させていただきます」と語りかけ、会場を笑いで包み、聴衆を一気に惹きつけた。

 

一見派手なパフォーマンスだが、その裏には山本さんの地道な努力がある。これまでに、自ら外部の講習に赴き、プレゼンテーション講習を15以上、セリングスキル講習を10以上受講。スキルを磨いてきたという山本さん。人材開発本部で教育研修に携わったときには同社のプログラムも作成したという実力者だ。

 

それにもかかわらず、コンテストのために「一週間前には準備を終えた。プレゼンテーションも30回以上は練習した」という。山本さんが準備に力を入れるきっかけとなったのは、MR3年目で秋田大学病院の担当となったこと。若手MRながら、大学病院担当として研究会、講演会を通じ、県全体をコーディネートする立場となった。「“ミスをしてはいけない”、“慌ててはいけない”、“余裕を見せないといけない”という3つを実践できなかった。周囲をうまく動かせなかったと反省した」(山本さん)。この経験から、「準備をし、余裕を持つ心がけが大切」と感じ、実行してきた。「できることに対して練習しないで結果が出なければ、自己評価は低い。本来持っている力を100%出して挑戦することで、今の自分が見え、課題も見える。成長の機会にもつながる」と語る。

 

時間のない中で準備する時間を見つける工夫としては、「枕元にメモ帳を置いておいて気づいたらメモすること」。実は、秘書検定準1級の資格も持つ山本さん。検定を受講したきっかけは、自身のMRとしてのマナーを見つめ直したことだったが、思わぬ副産物も。「ひとつのスケジュールのための準備、何を確認するかということも勉強になった」(山本さん)。こうした経験がいまのスケジュール管理にも生きている。

 

 

内容だけでなく
声の強弱へも意識を

 

プレゼンテーションで最も意識しているのは、「相手に何が伝わってほしいか」と語る山本さん。普段のMR活動では、プレゼンテーション後に、相手にきちんと内容が伝わっていたか、ディスカッションを通じて確かめることもあるという。また、プレゼンテーションの内容だけでなく、声も重要と語る。「“強く”“弱く”“早く”“遅く”というのを意識的に使い分けている」と語る。相手を惹きつけた上で、伝えたいことをあえて弱く言うことで、相手がより聞いてくれる。プレゼンの内容だけでなく、細かい配慮も欠かさない。

 

プレゼンテーション中、一見強気に見える山本さんだが、実は「緊張しやすい」(山本さん)。そんな山本さんを後押ししたのが、営業人材開発部時代の上司の山岸晃・営業人材開発部長からもらった「できなければ、演じればいい」というひと言だ。「もともと口がうまいわけでも流暢でもない」(岡山第一営業所・伊藤英樹所長)と周囲が語るように、取材中の印象も、強気な印象は一切ない。プレゼンテーションの練習を通じ、自分を客観的に評価することで、相手に伝えるための最適なスタイル、“どの役を演じればいいのか”を見つけ出しているのが、山本さんのプレゼンテーションのスゴさの秘密かもしれない。

 

 

“相手の印象に残る” 力
間合いや雰囲気で伝える力を

 

「担当施設に“ノンバーバル(言語以外)で訴えかけてきて、人を惹きつける力がスゴイ”とすっかりファンになっていただいた医師がいらっしゃいます。まだ数回の面談にもかかわらず、“MRで最初に山本助安さんを思い出す”と聞いています」(高知営業所MR・中綾美さん)

 

言葉だけでない“伝える力”“印象に残る力”の強さを挙げる声も多く挙がった。「絶妙な間で、うまく相手に話をふる。相手に話をしてもらうのが上手。その雰囲気を作り出すところがすごい」(中さん)という。

 

広島第一営業所のMR・酒見勇輝さんも、アポイントが取得できなかった忙しい医師への情報提供を「“先生、30秒だけ時間をください”と呼びかけ、医師に説明を始めたときには驚いた」と振り返る。その中で、インパクトのある情報提供活動を行い、いまではアポイントをもらえるまでになった。

 

数回しか訪問していない相手であっても、挨拶から始めるのではなく、“また来ちゃいました!”と挨拶していたという。最初は、失礼があるのではないかと心配した酒見さんだったが、結果として面談する医師とぐっと距離が縮まったと振り返る。

 

面談時の話題の豊富さ、引出しの多さも山本さんの強みだ。自身の一番の強みを「好奇心」と語る山本さん。言葉通り、パソコンなどに強みをもつほか、地元の文化の吸収にも積極的だ。秋田県に配属されていた際には、なまはげ伝道師の資格を取得、現在は岡山の地元の祭りである“うらじゃ祭り”の実行委員も務める。

 

「ちょっとやってみようかな、と思ったときに、恥ずかしいとかできなかったらどうしようと思うことはありません。いまでも新入社員と変わらない感覚です。失敗したらやり直せばいいと思っています。人生を楽しむためにも、好奇心はずっと持っていたいですね!」。

 

 

安佐市民病院・山下医師 「独自の世界観をもつプロのMR」

 

山本さんのMR活動を顧客である医療従事者はどうみているのか。山本さんが重点的に訪問する医療機関のひとつである広島市立安佐市民病院(広島市)を訪れた。

 

同院の神経内科主任部長/内科部長/リハビリテーション科部長の山下拓史医師は、「独自の世界観があり、自分のフィールド、世界に引きずりこむMRさん。しかし、それが押しつけがましくない。野球で言えば、自分の試合の組み立てまでできてしまうような“プロのMRさん”」と評価する。「製品力や薬の重要性を全面に押し出す“肉食系”の企業・MRさんもいるが、そうではなく草食系。人間性溢れる、プレゼンテーションも知識も人間性も感じられる」と語る。

 

山下医師は、こうした“人間性”の強さを大日本住友製薬の特長とした上で、「肉食系の企業は研究会などで、びっくりする成果を上げることもあるが、細く長く付き合うには“草食系”の社風をもった会社がよいのでないか」と話す。

 

同院の山下佳子看護師も、「来たら声をかけてくれる。穏やかな感じなので、話そうかなという気にもなる」と話す。看護師の立場からは、患者の副作用、日常生活への影響が重要であることから、こうした情報提供を望むとした。

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