米・消費者評価調査 トップ企業はシャイアー
公開日時 2015/06/25 03:50
製薬企業の社会的使命感、透明性などが消費者にどう映っているかについての企業評価調査で、アイルランドのシャイアー社がトップになった。企業評価専門調査会社の米Reputation Pharma社が、6月18日発表した。
同調査は、消費者に当該企業が持っている製品やサービスではなく、社会的使命を感じさせるビジネスを行っているか、消費者にどういう会社に映っているかなどを評価してもらい100点を満点として点数化し、8位までのランキングを行った。売上や利益率など経済的評価とは別の評価である。
Reputation Pharma社のBrad Hecht副社長兼最高科学責任者(CRO)は、同調査発表を機に米医薬専門誌「Fierce Pharma」の取材に応じ、「製薬企業は良い製品を持っていることが大切なばかりでなく、その企業が消費者に対してどのように自社を表現するかという観点から、オープンで透明性を持ち、かつ誠実であるかが大切である。企業は儲けよりも社会に対して有益な影響力を持っていると思われなければならない」と同調査の目的を説明した。
◎武田薬品は8位にランク
トップはシャイアー、2位サノフィ、3位バイエル、4位アッヴィ、5位ロシュ、6位イーライリリー、7位ノバルティス、8位武田薬品工業と続いた。
シャイアーは、初めてこのランキングに登場したが、同社の効率的で未来志向のビジネスモデルが消費者のイメージを改善、トップに押し上げたと分析している。Brad Hecht副社長は、同社が日頃述べていることや自社の姿を対外的に示している内容は、大規模な市場規模を持たない希少疾病薬開発にリスクをとる姿勢や株主に対して社会のためになることを行っていることを表し、その点が評価されたとの考えを示した。バイエルは、2014年にはトップだったが、ランクを若干落とした。
なお、売上ランクでは常にトップランキングに並ぶ、ファイザー、アストラゼネカ、米メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン、グラクソスミスクライン、ブリストルマイヤーズスクイブは、この評価ではランク入りしなかった。
Brad副社長は、「医薬品企業は全体として社会に影響を与える力を持っている。彼らが、社会へのベネフィットに集中し、その過程でオープンかつ透明性をもった、あらゆる機会を活用する以外に彼らの評判を向上させるものはない」と話した。