民主、社民、国民新の与党3党の各幹事長は12月17日午前、首相官邸に鳩山首相を訪ね、与党3党として取りまとめた2010年度予算の重点要望書を提出した。重点要望のトップに医療崩壊の是正を取り上げるとともに、「診療報酬の引き上げが必要」と明記。前日16日に民主党が首相に提出した重点要望書では「診療報酬『本体』の引き上げ」を求めていたが、与党3党の要望書からは「本体」が削除された。
与党3党の重点要望は官邸への提出直前まで内容をめぐって調整が行われた。診療報酬関係は最終案の1つ前の段階で24項目中5番目の要求項目だったが、国民新党の主張によりトップ項目となった。国民新党の自見庄三郎幹事長は本誌取材に、「我が党は結党以来、診療報酬の引き上げを掲げている。(郵政問題に次ぐ)1丁目2番地の課題として取り組んでいる」と強調。与党3党の要望書で「診療報酬の引き上げ」と記載したことについては、薬価改定分を診療報酬本体に振り替えるだけでなく、他の会計からも財源を持ってくる診療報酬全体(ネット)でのプラス改定を意味すると解説した。
10年度予算編成は大詰めを迎えているが、診療報酬関係では、ネットでのプラス改定を求める厚労省と、薬価改定の一部だけを診療報酬本体に充てるだけ(ネットマイナス改定)で医療再生に取り組むべきと主張する財務省との間で調整が難航しており、着地点が見えない状況にある。
なお、厚労省の足立信也政務官はこれまでに、ネットで0.3~0.4%のプラス改定、診療報酬本体では1.73%のプラス改定(現段階で薬価は▲1.3%、材料は▲0.1%)を求める考えを示している。財務省は、ネットマイナス改定だけでなく、長期収載品のより一層の引き下げなどを求めている。