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エーザイ創製のTLR4拮抗剤エリトラン COVID-19の免疫調節療法の評価対象薬として臨床試験開始

公開日時 2020/07/02 04:50
エーザイとGlobal Coalition for Adaptive Research(GCAR)は7月1日、米ピッツバーグ大学・メディカルセンター(UPMC)と共同で、中・重度のCOVID-19の治療薬を創出する革新的アダプティブデザインによる臨床試験のサブスタディーとなる「REMAP-COVID」を開始すると発表した。エーザイの創製したTLR4拮抗剤エリトランがREMAP-COVIDにおける免疫調節療法として最初の評価対象治験薬に選定されたことによるもの。同試験はUPMCヘルスシステム下の病院および米国内の複数医療センターで実施され、今後日本を含むグローバルなREMAP-COVIDネットワークの臨床試験サイトにも実施施設を拡大する。

TLR4拮抗剤エリトラン(E5564)は、細菌が持つエンドトキシンの活性本体であるLipid Aの化学構造アナログで、天然物有機合成技術を駆使したエーザイ創製のTLR4(Toll-Like Receptor 4)拮抗剤。重症セプシスの治療薬として開発され、大規模な臨床第3相試験を含む14の臨床試験で安全性が確認された。また、サイトカインストームの原因となる多種のサイトカイン産生シグナルの最上流に位置するTLR4の活性化を阻害することで、COVID-19による炎症や重症化を抑えることが期待されている。

REMAP-COVIDは、COVID-19で入院する患者への複数の治療薬の効果を確認する革新的なアダプティブプラットフォーム臨床試験「REMAP-CAP」(A Randomized, Embedded, Multifactorial, Adaptive Platform trial for Community-Acquired Pneumonia)のサブスタディーに位置づけられるもの。REMAP-CAPは、非パンデミックとパンデミックの双方の状況において重症肺炎に対する最適な治療法を見出すように設計されているが、結果的に米国を含む全世界でパンデミックに移行したため、パンデミックモードの「REMAP-COVID」に移行し、治験計画に治験薬投与群を追加して患者の組み込みを行うことになった。

試験は、多施設共同、無作為化、標準療法および複数の実薬を用いた、並行群間比較臨床試験。主要評価項目は投与後21日間における臓器不全未発症の期間。エリトランはCOVID-19の入院患者に対するREMAP-COVIDの免疫調節療法として評価されることになる。

エーザイニューロロジービジネスグループのLynn Kramer, M.D.チーフクリニカルオフィサーは、「TLR4拮抗剤エリトランについて、単独もしくは他の薬剤との併用で、COVID-19の入院患者に対する有効性が評価されることを嬉しく思う。世界中の患者・家族、医療関係者に貢献したい」と述べた。


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