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米FDA コロナ治療薬バムラニビマブ単剤の緊急使用許可取り消し

公開日時 2021/04/21 04:49
米FDA(食品医薬品局)は4月16日、米イーライリリーの新型コロナウイルス感染症治療薬バムラニビマブについて、単剤での緊急使用許可(EUA)を取り消したと発表した。変異株の出現により、同剤への耐性が高まり、単剤では治療が不成功に終わるリスクが増えてきたため、ベネフィットはリスクを上回らないと判断した。

同剤は2020年11月9日、成人および一定の小児(12歳以上、体重少なくとも40㎏以上)における軽症から中等症の新型コロナ患者に対する単剤療法としてEUAが発行されていた。なお、バムラニビマブと別のモノクローナル抗体製剤etesevimabとの併用療法は従来通り利用できる。

FDAは定期的に発行したEUAが適切かどうか評価している。最近のCDC(疾病予防管理センター)の実施したゲノム調査データでは、バムラニビマブ単剤に対して耐性を示す変異ウイルスの出現頻度が増加していることが示されている。

米国でシークエンスした新型コロナにおいて、2021年1月半ばには約5%だった変異ウイルスが、2021年3月半ばには約20%に増加した。

FDAのPatrizia Cavazzoni医薬品評価研究センター長は、「バムラニビマブ単剤を使用するリスクベネフィットの評価は、すでに、耐性変異株の頻回の出現により好ましいものではなくなった。一方で、他のEUAを取得したモノクローナル抗体療法は、適正な治療選択肢で、ハイリスクの新型コロナ患者に対する入院期間の短縮などが期待できる」とコメントしている。

米イーライリリーのDaniel Skovronsky最高科学責任者(CSO)兼リリーリサーチラボラトリーズ所長は、「バムラニビマブ単剤では、十分に無力化できない可能性のある変異ウイルスが蔓延している。etesevimabの十分な供給により、我々は計画通り併用療法への移行を完了させる。この2剤の抗体医薬を併用することに集中する時だと信じている」と話した。
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