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小野薬品・相良社長 22年度以降の奨学寄附金「年内に方法を決める」 三重大病院問題を踏まえて対応

公開日時 2021/11/02 04:50
小野薬品の相良暁社長は11月1日の2022年3月期(21年度)第2四半期決算会見で、三重大学病院をめぐる贈収賄事件のきっかけとなった奨学寄附金について、「来年度以降は、これまでの建付けでは実施しない。方法は現在、最終検討中で、年内に方法を決める」と明らかにした。同社は三重大学病院をめぐる贈収賄事件で同社社員2人が有罪判決を受けている。同社は21年度中の奨学寄附金を中止し、22年度以降は「これまでと異なる研究助成方法を検討する」としていた。

同社の21年度上期の連結業績は、売上1740億円(前年同期比15.7%増)、営業利益581億円(11.0%増)―となるなど、売上収益、各利益段階とも2ケタ成長した。がん免疫療法薬オプジーボは肺がん1次治療などで使用が拡大。SGLT2阻害薬フォシーガは、適応追加した慢性心不全や慢性腎臓病(CKD)で処方が伸び、特に両剤が業績全体に貢献した。

◎オプジーボ 通期1100億円へ NSCLC1次治療で新患シェア3割目指す

オプジーボの売上は、21年度上期は561億円(14.3%増)だった。通期計画は1100億円(11.3%増)と設定した。同剤の薬価は8月1日に、類薬のテセントリクに市場拡大再算定が適用されたことに伴い、11.5%引き下げられた。21年度上期は2カ月分、下期は6カ月分の減収影響を受けるが、それでも2ケタ成長させる計画となる。

高萩聡営業本部長によると、同剤は20年11月に承認された非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療での処方が拡大しており、NSCLC1次治療での新規患者シェアは8月時点で25%に達した。同剤の通期計画達成に最も貢献する適応がNSCLC1次治療だとし、「年度内にシェア3割を達成したい」と話した。また、11月中の承認取得を見込む▽胃がん1次治療▽食道がん術後補助療法――の売上貢献も期待しているとした。この2つの適応追加は11月4日の薬食審医薬品第二部会に報告される予定で、手続きが順調に進めば、11月中に承認される見通しになっている。

◎フォシーガ 成長ドライバーはCKD適応 対象患者は推定120万人程度


フォシーガの売上は、21年度上期は156億円(49.3%増)、通期は350億円(56.6%増)の大幅増を計画している。

同剤は2型糖尿病の適応で承認された後、20年11月に慢性心不全、21年8月にCKDの適応を追加した。今春に部分改訂された「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年版)」で、SGLT2阻害薬が心不全治療アルゴリズムの薬物治療に新たに位置付けられたこともあり、高萩氏は、「フォシーガは上期に、心不全適応でも処方拡大が進んだ」と振り返った。

大幅増を期待する下期は、「CKDが成長ドライバーになると考えている」と話した。2型糖尿病や心不全の適応の情報活動も進めるものの、「フォシーガは日本で初のCKD適応をいただいた。CKDで我々が対象とする患者はおそらく120万人程度と試算しており、そういった患者さんにしっかりフォシーガを届けていきたい」と述べ、CKDの疾患啓発にも注力する姿勢を見せた。

◎アフターコロナのMR活動 リアルやリモートでの活動進める

高萩氏は、デジタルを用いた情報活動について、ウェブ講演会や医療関係者向け自社サイト「ONO MEDICAL NAVI」のコンテンツの充実を図っていると説明した。KPIでの位置づけは、一例としてウェブ講演会は視聴者のカバー率、自社サイトは目標会員登録者数を設定しているとし、「適正使用情報をしっかり発信できる体制を整えて取り組んでいる」と強調した。

アフターコロナのMR活動については、感染拡大の第6波が懸念されていることから引き続きデジタル活用を意識しつつ、「大前提として医療機関側の考えに従って、適切な媒体で、リアルやリモートでの営業活動を進める」と述べた。

【連結業績 (前年同期比) 21年度通期予想(前年同期比)】
売上高1740億7700円(15.7%増) 3450億円(11.5%増)
営業利益581億7100万円(11.0%増) 1030億円(4.7%増)
親会社帰属純利益462億9000万円(16.2%増) 815億円(8.1%増)

【国内主要製品売上高(前年同期実績) 21年度通期予想、億円】
オプジーボ 561(491)1100
フォシーガ 156(105)350
グラクティブ 127(130)245
オレンシア 112(109)225
パーサヒブ 45(39)80
カイプロリス 42(35)75
ベレキシブル 29(5)50
オノアクト 23(22)40
オパルモン 24(29)40
リバスタッチ 16(41)30
ビラフトビ 14(4)30
メクトビ 11(3)25
オノンカプセル 18(12)25
オンジェンティス 9(-)25
21年度新発売品 5(-)25
*仕切価ベース

ロイヤルティ・その他 549(440)1050
*BMSからオプジーボに係るロイヤルティ収入が19年度上期292億円、20年度上期339億円――、メルクからキイトルーダに係るロイヤルティ収入が同114億円、142億円――がそれぞれ含まれる。
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