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岸田首相がランセット誌に寄稿 「人間の安全保障とUHC:G7広島サミットに向けた日本のビジョン」

公開日時 2023/01/24 04:50
厚労省は1月23日、岸田文雄首相が「人間の安全保障とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC):G7広島サミットに向けた日本のビジョン」と題する論文を医学雑誌・ランセット誌に寄稿したと発表した。重要課題の一つに感染症のパンデミック対応や薬剤耐性(AMR)の研究開発を加速する必要性を指摘。健康危機が発生する前に研究開発に必要なインフラと能力を強化し、健康危機に対する効果的な早期警戒に資する世界的なサーベイランスのネットワーク構築を提唱した。

◎G7広島サミットへの決意 国際保健への貢献

岸田首相の寄稿は、日本が議長国を務めるG7広島サミット(5月開催)やG7長崎保健大臣会合などを通じ、国際保健に貢献していく決意を示したもの。①1.公衆衛生危機のためのグローバルヘルス・アーキテクチャーの強化、②ポストコロナの新しい時代に向けたUHCの推進、③デジタル領域を含むヘルス・イノベーションの促進-の3点について提言した。

◎強靭で持続可能な保健システム「より良いガバナンスと財政措置が緊急に求められる」

岸田首相は、新型コロナウイルス感染症パンデミックは、「国際社会に未曾有の影響を与え、現在のグローバルヘルス・アーキ テクチャーの脆弱性を露呈した」と指摘。世界的な健康危機に対する予防・備え・対応(PPR)を強化し、UHCにつながるより強靭で持続可能な保健システムを構築するために、「より良いガバナンスと財政措置が緊急に求められている」と強調した。

その上で、重点課題では、「公衆衛生危機に備えるため、グローバルヘルス・アーキテクチャーを強化する必要がある」と述べ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって露呈したギャップと脆弱性から得られた教訓に基づき、「健康危機に対するPPRに焦点を当てた国際保健の枠組みを強化するために、国際社会は政策、ガバナンス及び資金調達についてさらに取り組む必要がある」と主張した。

◎「ポストコロナ時代に向けたUHCの推進」を提唱

また、「ポストコロナ時代に向けたUHCの推進」を提唱。持続可能な開発目標を達成するために、「保健システムは各種の保健課題について効果的に対応し、また克服しなければならない」と強調。これらの課題には、エイズ、結核、マラリア、熱帯病(NTDs)などの感染症が含まれるほか、メンタルヘルスを含む非感染性疾患(NCDs)、リプロダクティブ・母子・新生児・思春期保健、健康で活動的な高齢化といった、ライフコース・アプローチも重要な課題とした。さらに、「日本は世界でも有数の超高齢社会として、人口動態の課題に焦点を当てる特別な責任を有している」とも述べた。

◎UHCの全体的な目標のもとでワクチン、診断及び治療への公平なアクセスを確保する

デジタル領域を含むヘルス・イノベーションの推進では、「100日ミッションにおいて提案されたように、感染症危機対応医薬品等(MCM)の迅速な研究開発を可能にするためのより有効なグローバル・エコシステムを促進するためには、イノベーションが必要である」と強調。「日本はPPRのための研究開発の加速という目標の達成を支持し、UHCの全体的な目標のもとでワクチン、診断及び治療への公平なアクセスを確保することの重要性を改めて表明する」と述べた。さらに、「すべてのステークホルダーは、将来の健康危機が発生する前に、研究開発に必要なインフラと能力を支援し、構築する必要がある」と指摘。また、「国際社会は、薬剤耐性(AMR)や顧みられない熱帯病(NTDs)など、現在進行中の保健課題に対処するための研究開発を強化する必要がある。さらに世界的なサーベイランスのネットワークを、健康危機に対する効果的な早期警報システムに変えていく必要がある」と提唱した。


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