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【ASHリポート】早期Ph+CMLに対するニロチニブの有効性 3年後も安定的に持続

公開日時 2010/12/21 06:00

慢性骨髄性白血病(CML)に対するニロチニブの有効性は、治療開始から3年後も安定的に持続することがわかった。イタリア18施設の早期フィラデルフィア染色体陽性CML被験者73人を対象とした、第II相試験GIMEMA CML WPの結果明らかになったもので、イタリア、Bologna大のGianantonio Rosti氏が、12月4~7日まで米オーランドで開催された第52回米国血液学会(ASH)年次学会のオーラルセッションで報告した。累計で97%が分子遺伝学的寛解 (MMR)に達し、92%が依然ニロチニブによる治療を受けていた。


ニロチニブは、第二世代BCR-ABL阻害剤で、これらの患者に対するファーストライン治療として、米FDAの認可を得たばかりである。これまでの試験では、導入早期でのより高い細胞遺伝学的完全寛解 (CCgR)率と分子遺伝学的寛解 (MMR)率が示されてきたが、同試験では被験者を36ヶ月間(中央値)追跡し、有効性が持続するかどうかを検討した。被験者は、年齢51歳(中央値)、27%が65歳以上の高齢患者。Sokalリスクは41%が中等度、14%が高度であった。


1日当りの投与量は、1~3ヶ月の時点で750~800mg が62%で、24~30ヶ月の時点でも同用量の割合は64%と、安定的に推移していた。測定最終時の投与量の割合は、800mgが63%、600mgが4%、400mgが25%であった。


主要評価項目である細胞遺伝学的完全寛解 (CCgR)率は、3ヶ月目で78%、6ヶ月目と12ヶ月目には96%に上り、1人を除き全員が一度はCCgRに達していた。またMMRは、3ヶ月目で52%が達成し、12ヶ月目では85%に至った。累計では30ヶ月目で97%が達成、一度もMMRに至らなかった患者は今のところ3人となっている。


分子遺伝学的完全寛解(CMR)では、3ヶ月目で10%が達し、24ヶ月目には27%に至った。過去3回のサンプルでCMRが確認された割合は25%に上り、MMRが安定的でCMRが変動している割合は33%、一過性のCMRは12%と、累計でのCMR達成率は70%に達した。


92%が現在も治療を継続。治療を中止した6人(9%)のうち3人(4%)は、リパーゼの上昇が原因であった。
この他副次評価項目である全生存率と無増悪生存率、治療奏効維持生存率はそれぞれ97%、無イベント生存率は91%に達した。試験期間中に、ABPに進行した患者は1人のみであり、Rosti氏はこれらの結果を受けて、ニロチニブは素早い寛解を導くだけでなく、奏効が3年以上安定的継続することも示されたと結論した。


 

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